「和食より地中海食が良い」が科学的でない理由 間違いだらけの「エビデンスのある健康的食事」
「体に良い食事」と言ったときに、「有名人が良いと言っていた」といった理由でなく、「最新の研究の結果、体に良いとわかった」など、科学的根拠(エビデンス)を重視する人が多くなってきました。個人の経験談でなく、研究結果からの結論にもとづく流れは一見良さそうですが、残念ながら一口に「エビデンスがある」と言っても、その中身は様々で、誤解している人もいるといいます。ハーバード大学で生活習慣病や予防医療を研究している医師の浜谷陸太氏が、「本当に信頼できる健康法」を教えます。
地中海食が脚光を浴びている
「科学的根拠」「エビデンス」という言葉が世の中に浸透してきています。「ハーバード大の研究では……」というような引用が、至る所で聞こえる時代です。特に、どういう食事をとれば健康になれるかという「エビデンス」には興味をひかれる方が多いのではないでしょうか。
食事でいえば、地中海食(地中海式食事)が脚光を浴びています。豆、野菜、果物、魚介、オリーブオイルなどがメインで、肉は少なめ。確かに健康に良さそうですね。日本といえば和食ですが、よく「地中海食が一番エビデンスがある」「和食は(健康に良さそうだけど)エビデンスがない」という表現を耳にします。
それ自体がすごく誤りなわけではないですが、もし「地中海食>和食」のような認識でしたら、それは科学的とは言えません。また、そう受け取られるような表現は、科学的なコミュニケーションとしてはバツです(大変恥ずかしながら、自分も以前はそのような表現をしていたのでとても反省しています……)。
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