ChatGPTは文章を書くための装置
ChatGPTを含む生成系AIは、何でも答えてくれる魔法の機械だと、多くの人が誤解している。そして、そこから情報や新しいアイデアを引き出そうと試みている。
しかし、その思考は誤りだ。
まず、ChatGPTが出力する情報には誤りが含まれている。ChatGPT・4であっても、2021年9月までのデータによる学習しか行っていないため、新たな情報については無知だ。マイクロソフトのBingは最新のデータを検索するが、それでも内容には誤りが存在する。
そして、ChatGPTは創造を行うことはできない。
対話型生成系AIは、情報やアイデアを得るための仕組みではなく、文章を書く仕組みだ。事実やデータなどの情報を得たい場合には、ChatGPTやBingを用いるのではなく、従来型の検索エンジンを用いるべきだ。そして、創造活動は人間だけが行うことができる。
したがって、生成系AIの最も適切な使い方は、書いてほしい内容を示し、それを文章化してもらうことだ。
ChatGPTを用いて文章を綴る方法は、いくつか存在する。その1つとして、本欄4月30日の「ChatGPTで良い文章を書ける人・書けない人の差」で紹介した「逆向き文章法」がある。ここでは、そのほかの方法として「キーワード文章法」を紹介する。
どのような方法を選択するのがいいかは、文章の内容や目的、その人の得意・不得意などを考慮し、判断するべきだ。
第1段階としてテーマを設定する。これは、具体的に何について書くのか、という問いだ。例えば、「日本の賃金はなぜ上がらないのか?」「公的年金の財政は維持可能か?」などだ。
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