「ChatGPT」使って上手い文章を書く効率的な方法 生成系AIはアイデアを得るための装置ではない

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第6段階では、出力された文章を推敲する。第4段階で望むような文章が出てこない場合や、主張が全く逆の文章が出てくることもあるが、そうした場合は修正する。また、表現が不満なときも、修正する。

納得いくまで、十分な時間を推敲に費やす。

以上が「キーワード文章法」だ。要約すれば、キーワードを選択することによって内容を固定し、その後出力された文章を推敲することによって表現法等を修正し、自身の文章として形成していく。

これらの手法により、内容が充実した文章をより効率的に作成することが可能となる。

以上の手続きでもっとも重要なのは、初期の段階でどのようなテーマを選ぶかだ。テーマを見つけることは、これまでも文章作成で最重要の課題であったが、その重要性がさらに増している。

表現したいアイデアを持っていれば、それをキーワードや短文という形で表現可能だ。しかし、それを適切な言い回しの文章で記述することは困難だ。このような状況は多いのだ。

「キーワード文章法」では、このギャップをChatGPTに橋渡ししてもらう。これにより、文章の作成が容易になる。なぜなら、生成された文章を修正するだけで済むからだ。そして、アイデアの創出や文章の推敲に、より多くの時間を投じることが可能となる。それにより、これまで以上に内容の質を向上させることが可能となるだろう。

しかし、この方法では、大幅な手抜きはできない。言い換えれば、これは「簡単文章作成法」ではない。少なくとも、文章を書く時間をこれまでより短縮することは、できない。

日本の大規模言語モデルが切望される

ChatGPTの性能は、英語に対して日本語よりも格段に優れていると指摘されている。これは、ChatGPTの大規模言語モデル(LLM)が、英語を基にして構築されていることに起因している。日本が世界の進歩から取り残されないために、この点の改良が強く望まれる。

しかし、開発をアメリカ企業に依存している限り、これは困難な課題かもしれない。日本が独自の大規模言語モデルを開発することが求められる。

些細なことかもしれないが、口語体と文語体の使い分け問題に、私は日常的に困惑している。ChatGPTもBingも、こちらの指示に従わない時があるのだ。これは日本語に特有の問題であり、アメリカ生まれのChatGPTにとっては難易度の高い課題のようだ。こうした状況にも、生成系AIの基盤技術をアメリカに依存することの問題が見て取れる。

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野口 悠紀雄 一橋大学名誉教授

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のぐち ゆきお / Yukio Noguchi

1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専門は日本経済論。『中国が世界を攪乱する』(東洋経済新報社 )、『書くことについて』(角川新書)、『リープフロッグ』逆転勝ちの経済学(文春新書)など著書多数。

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