XL750トランザルプ対Vストローム800DE徹底比較 ホンダ&スズキ最新アドベンチャーバイク事情

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Vストローム1000 ABS
2014年モデルのVストローム1000 ABS(写真:スズキ)

現在のようなアドベンチャーバイク的なスタイルとなったのは、2014年発売の1036cc・V型2気筒エンジンを搭載した「Vストローム1000 ABS」からとなる。現在、同シリーズのアイデンティティとなっている「クチバシ」のようなフロントフェイスを初採用したバイクで、アグレッシブなフォルムや軽量・コンパクトな車体、後輪のスリップを低減するトラクションコントロール・システムなど、扱いやすいアドベンチャーバイクとして人気を博す。

Vストローム1050DE
2023年モデルのVストローム1050DE(写真:スズキ)

その後、650cc版や250cc版も登場し、シリーズのラインナップを拡大。2023年モデルでは、800DEを追加したほか、フラッグシップのVストローム1050にも、より悪路での走破性を高めた「Vストローム1050DE」を新設定している。

2モデルの外観・車体サイズを比較

XL750トランザルプ
横から見たホンダのXL750トランザルプ(写真:本田技研工業)
Vストローム800DE
横から見たスズキのVストローム800DE(写真:スズキ)

XL750トランザルプの外観は、歴代モデルのイメージを踏襲した比較的マイルドなデザインを採用する。全体的に丸味を帯びたフォルムで親しみやすさを演出しつつも、タフなイメージも加味。これは、このモデルが肩肘を張らず気軽に乗れるジャストサイズ・オールラウンダーとして開発されたことで、幅広いユーザーへの訴求を狙ったためだ。

フロントフェイス
Vストローム800DEのフロントフェイス(写真:スズキ)

対するVストローム800DEでは、シリーズ共通の「クチバシ」をイメージさせるアグレッシブなフロントフェイスを継承。よりシャープな新しいデザインの「クチバシ」は、高めの位置にレイアウトすることで、ロングストロークのサスペンションを強調し、オフロードでの高い走破性を想起させるスタイルとなっている。

あくまで私見だが、アドベンチャーバイクらしい、より冒険心をくすぐるスタイルを持つのは、Vストローム800DEのほうだろう。そのぶん、XL750トランザルプは、あまりハードなオフロード走行はしないようなユーザーにも、フレンドリーな印象を与えると思われる。そして、こうしたデザインに関する方向性の違いも、両モデルが打ち出しているキャラクターをよく現しているといえる。

ボディサイズは、XL750トランザルプが全長2325mm×全幅840mm×全高1450mmで、ホイールベース1560mm。一方のVストローム800DEは、全長2345mm×全幅975mm×全高1310mmで、ホイールベース1570mm。全長や全幅ではVストローム800DEがやや大きめで、全高はXL750トランザルプが若干高いが、両モデルのサイズ感はほぼ近いといえるだろう。

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