XL750トランザルプ対Vストローム800DE徹底比較 ホンダ&スズキ最新アドベンチャーバイク事情

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Vストローム800DEの電子制御システム

メーター
Vストローム800DEのメーター(筆者撮影)

一方のVストローム800DEでは、最新の「S.I.R.S.(スズキ・インテリジェント・ライドシステム)」を搭載する。路面の変化やライダーの好みに合わせ最適な設定を提供し、ライダーが求めるニーズに合わせたパフォーマンス特性を最適化するシステムだ。

さまざまな機能を持つS.I.R.S.だが、まず、エンジン制御マップの切り替えが可能な「SDMS(スズキ・ドライブモード・セレクター)」では、3つの走行モードを設定。スロットル開度小~中で最も鋭いスロットルレスポンスを提供する「Aモード(アクティブ)」、市街地走行やツーリングなどに適用するようスロットルレスポンスがややマイルドになる「Bモード(ベーシック)」、ウエットな路面や滑りやすい路面などに対応する非常に滑らかな加速特性となる「Cモード(コンフォート)」を用意する。

また、リヤタイヤのホイールスピンを検出した際、速やかにエンジン出力をコントロールする「STCS(スズキ・トラクションコントロール・システム)」も装備する。路面状況やライダーの経験値などに合わせて選べる3つのモードのほかに、システムのオフ機能も採用。さらに、悪路走行時に対応する「G(グラベル)モード」も用意することで、幅広い走行シーンに対応している。

ほかにも、介入レベルを2つのモードから選択できる「2モードABS」には、リアブレーキ側のオフ機能も備えることで、XL750トランザルプと同様、オフロード走行時などに前後ブレーキの使いわけも可能だ。また、クラッチやスロットル操作なしでシフトチェンジのアップとダウンが可能な「双方向クイックシフトシステム」も採用し、長距離走行時におけるライダーの疲労軽減などに貢献する。

ライディングポジションや足着き性の違い

シート
XL750トランザルプのシート(筆者撮影)

以上が両モデルの概要だが、今回のショーでは、停止状態ではあるものの、実際にどちらのモデルにも乗車することができたので、その印象もお伝えしよう。

まず、XL750トランザルプだが、意外にも足着き性はかなりいい。筆者の体格は、身長165cm、体重59kg。この手のアドベンチャーバイクでは、左足など片足を地面に着けた状態でもつま先立ちとなるモデルも多い。オフロード走行も考慮し、凹凸路などでの安定性を高めるためにサスペンションを硬めに引き締め、エンジンなど車体が路面にヒットしないよう最低地上高も高め(必然的にシート高も高め)なことが影響しているのだろう。とくにサスペンション設定が硬めだと、筆者の体重では座っただけでは車体の沈み量が少なく、高いシート高と相まって足が地面に着きづらい。

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