岸田首相は6月に衆院を解散しないかもしれない 「6月21日の早期解散説」を否定する根拠とは?

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仮に国会会期末の6月21日(友引)に解散ということになれば、7月11日(仏滅)に公示、7月23日(大安)に総選挙、という日程が十分考えられる。岸田内閣が発足したのは2021年10月だから、わずか1年9カ月の任期で国民の信を問うのは、常識的に考えれば早すぎる。とはいえ、永田町には「理屈はあとから貨車で来る」という金言もある。

早期解散説「3つの根拠」とは?

早期解散説の根拠は、大きくいえば3つある。

まず衆院における「10増10減」の選挙区割り改定作業が、自民党ではほぼ完了していることだ。和歌山県と山口県はまだ「ビミョー」だが、これも選挙が決まれば瞬時に決着するだろう。それに引き換え、野党候補者の選挙区調整は遅れている。だったら今のうちにやってしまえ、という理屈である。

次に、岸田内閣の支持率が上昇している。NHKの世論調査を見ると、5月は支持が46%、不支持が31%となっている。1月時点の支持33%、不支持45%から見れば、大変な改善ぶりだ。このうえ、G7広島サミット成功という実績が加わり、さらに「日経平均3万円台」のご祝儀相場があれば、ますます好都合というものだ。

さらに5月時点の政党別支持率を見ると、自民党が36.5%と最も高く、次が日本維新の会の6.7%で、立憲民主党の4.2%を上回っている。つまり、野党第一党と第二党の支持率が逆転している。実際に5つの選挙区で行われた衆参の補欠選挙では、自民党が4勝、維新の会が1勝、立憲がゼロ勝であった。

もっと言えば、故・安倍晋三元首相はつねに解散のタイミングをうかがい、政局の先手を取って長期政権を実現した。それとは対照的に、菅義偉前首相は目の前の仕事を優先して解散の機会を逸し、最後は政権を投げ出すことになった。どちらをお手本にするかは考えるまでもないだろう。永田町の論理としては、早期解散説に分があることになる。

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