岸田首相は6月に衆院を解散しないかもしれない 「6月21日の早期解散説」を否定する根拠とは?

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ところが豪州のアンソニー・アルバニージー首相とインドのナレンドラ・モディ首相は、いずれもG7のアウトリーチ会合に招待されている。つまり日米豪印の4首脳は、この週末は全員が広島に滞在中なのだ。

そこでクワッド会合は急遽、広島で開催という運びになったが、考えてみれば変なことになっている。ロシアや中国に対して4カ国の結束を見せつけたいところながら、アメリカが国内事情に振り回されているのはいささか残念なことである。

「サミット花道論」は「サミット後早期解散論」へ

肝心のG7サミットの中身については、それほど心配はいらないだろう。俗に「サミットに失敗なし」と言う。大勢の首脳が移動して、「成果は何もありませんでした」などということはありえない。各首脳には「シェルパ」と呼ばれる外交官がついていて、その傘下の事務方が膨大な時間をかけて積み上げる会議である。まず滅多なことは起きないものだ。

むしろ被爆地、広島での首脳会合は「絵になる」し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が参加することも話題となるだろう。「アウトリーチ会合」には、インド、韓国、豪州、インドネシア、ブラジル、ベトナムなどの代表が呼ばれている。「グローバルサウス」の国々を巻き込むことも、G7広島会合では重要な課題の1つといえる。

それにしても、変われば変わるものだ。昨年末には、岸田文雄首相のあまりの不人気さに、自民党内では「サミット花道論」が大真面目で語られていた。

自分の選挙区でサミットを開催して議長を務めるなんて、政治家としてこれに過ぎる名誉はない。だからそれが済んだら、人気のない岸田さんにはお引き取りいただこう。われわれも5月までは全力でお支えするけれども、それから先はどうなるかわかりませんぞ……。

それが今では、「サミット後の早期解散論」がうわさされている。4月9日と4月23日には、統一地方選挙が行われた。以前は「統一地方選挙がある月は、議員の皆さんは応援で忙しいでしょうから」と、国会は開店休業状態となったものである。

今年は入管法、マイナンバー法、GX電気事業法と、新たな議案が次々に国会に持ち込まれた。「これだけ審議を急いでいるのは、後半国会の日程を確保するためではないのか。ひょっとすると『アレ』があるのでは?」という思惑を呼んでいる。

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