吉川ひなの「母を許せない自分」を許すことから 「許す神話」は、自分を歪めてしまう一因にも
自身の考えを明確に言葉にする長女について、吉川さんは「うちの中で1番大人(笑)」だといいます。子どもたちに対して、どんなことを意識して接してきたのでしょうか。
「すごく正直に接しています。ネガティブなことは言いたくない、不安にさせたくないなど気をつけていることは沢山あるけど、だからといって取り繕ったり、本当は思っていないのに『いいね』と言ったりは絶対にしないようにしてます」
親との関係に問題を抱える人の中には、「自分も親と同じことをしてしまうのでは」と、子育てに不安を感じる人がいます。吉川さんの場合は、子育てに困難を感じることはあったのでしょうか。
「私はネガティブに考えてしまう癖がついてしまっていて、出張で1人でホテルに泊まっていると、怖い夢を見たら嫌だな、何か事件に巻き込まれたらどうしようと眠れなくなってしまうことがあるんです。
子どもたちにはそんな脳の回路を作ってほしくなくて、怖がらせるようなことは言わないようにしていました。それでもどこで聞いてくるのか『早く寝ないと海坊主がくるんでしょう?』と怖がっていたことがあって、『ママは海坊主はいないと思うし、いたとしてもすごく優しいと思うよ』と言ったりしていました(笑)。
ただ、私の場合は子どもを傷つけたくないという気持ちが過剰だったかもしれません。夫は割と機嫌次第で厳しめに叱ることがあるのですが、私は『お願いだから子どもを傷つけないで』と思って止めてしまっていました。でも、そんなことをすると子どもたちはどちらの言うことを聞いていいのか分からなくなってしまうので、本当に良くなかったなと思います。
娘がインタビューで話してくれたことで、普段から揺るぎない愛を感じていれば少しくらいお説教されても何てことはないんだなと、最近になってやっと分かるようになってきました」
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