それならば、せめて別の映像を作ればいいのに、なぜ同じ映像を流すのか。それは番組を途中から見る視聴者を逃さないためではないかと思います。
基本だけど、実行するのは難しい
たとえば、ザ行が言えないお母さんの映像にしても、最初からずっと見ている視聴者にとっては、
「また、ダクロか、しつこいな」
と思われることも多そうですが、番組中盤から見た視聴者にとっては、初めての映像。
「へ〜、面白そうだな。このままチャンネル変えずに見ようか」
ということになります。
また、うまいなと思うのが、「この人誰だろう」という人を、山場CMや番宣の中にうまく入れ込んでいるところ。前出のダクロのお母さんは、普通のお母さんだし、藤田ニコルさんもティーンエージャーの間では有名人ですが、芸能界では新人。有名人の中にひとり、知らない人が混ざっていると、「この人、誰だろう」と興味を持ちます。これはネットのニュースの見出しなどでも、たまに使われる手法です。
昨年、テレビ朝日の番組宣伝手法について本欄に書いたとき、日本テレビの関係者から、「ウチも、テレ朝と同じぐらい、ものすごく工夫しているのだ」と言われました。確かにこうしてあらためて分析してみると、とてもシンプルで、効果的な番組宣伝をしていることに気づきました。
何度も同じことをしつこいぐらいに繰り返す。うざいと思われても、繰り返す。これって、基本ですが、実行するのは難しいこと。仕事でも、同じ企画や提案を上司に出し続けるのは、なかなかできません。今回は、日テレの成功から、「繰り返しの効用」を学んだような気がします。
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