「休んでもやることがない」人が実は抱える問題 生きる上で「楽しみ」や「気晴らし」は重要だ

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「なかなか休めない」「休暇を申請しづらい」という悩みは、働き方が多様化しても乗り越えづらい壁かもしれません。勤務形態によって、有休を堂々と申請しづらい雰囲気があることも否めないと思いますが、こんな時代だからこそ、オンとオフのリズムを自分でコントロールするためにも、「有給休暇」が重要です。

フレックスやリモート勤務によって、時間の使い方が個人に委ねられているケースほど、真面目な人は仕事を続けてしまいがちです。「有休」を取得するのは自分次第ではありますが、いったん取ってしまえば、仕事とプライベートをきっちり分けてくれる公式な「区切り」になります。

年休をとりづらい4つの理由

少し古いデータですが、2011年にまとめられた「年次有給休暇の取得に関する調査」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)では、年休を取りづらい理由として、大きく4つの理由が挙げられています。

「人事評価に影響する」「業務量が多い・代わりがいない」「何かの用事のためにとっておく」「休んでもすることがない」 

このようなメンタリティは、働き方が多様化するなか、どのように変化しているでしょうか。例えば、「人事評価に影響する」という理由は、近年、リモートワーカーにとってはハードルが下がって感じられるのではないでしょうか。また、フレックスやリモート、裁量労働制なども増え、出勤していること自体が評価されるケースは少なくなっているでしょう。
「業務量が多い・代わりがいない」という理由は、自分自身より、組織の問題です。従業員は体調が悪ければ、回復に努める義務があり、たとえ出勤を伴わないリモート主体の勤務形態だったとしても、会社には、従業員の健康を維持し、安全に働く場を提供する義務があるのです。

リモートワークだとしても過重労働がおこりうる、むしろ業種によってはより生じやすいことにも注意が必要です。

自分や家族の病気、あるいは冠婚葬祭など、「何かの用事のために」とっておかなくても柔軟に休める仕組みは、出勤が前提のエッセンシャルな仕事では簡単ではないですが、コロナ禍以降、それ以外の職種のかたにとっては、かつてよりも調整しやすくなっているのではないでしょうか。

最後の「休んでもすることがない」という理由については、取得した有給休暇を「自分のための休み」という、オフィスワーカーにとっての貴重な充電時間にできるメリットに目を向けてみてください。予定のない1日、すべて自分がコントロールできる他人から干渉されずに自由に過ごせる「お休み」は、終わりのないデジタルワークでヘトヘトの心と身体を癒やしてくれます。

まずは午後の半休から試してみてもいいでしょう。

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