日本のGDPが「インドの4分の1」になる衝撃の日 軍事費も伸び、米中に引けをとらない水準に

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だとすると、インドが今後も2.5パーセント前後の軍事費を維持するかぎり、日本の防衛費がインドを上回るなどいうことはまず起こりえない。

このように、今後のインド太平洋地域では、アメリカと中国の国力差が縮小して並ぶようになる、あるいは逆転するかもしれない。アメリカと同盟関係にある日本やオーストラリアは、どう頑張ってみても、現状維持が精一杯だ。そのなかでインドの台頭は確実視される。

インドとどう関わるかが今後のカギ

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だとすれば、インド太平洋地域の経済・安全保障秩序のゆくえは、インドがどう動くかによって決する可能性が高くなっているだろう。

通商と航行の自由、民主主義、人権、国際ルールや法の支配、社会の開放性等に立脚したリベラルな国際秩序を今後も維持していきたいのであれば、このカギを握る国をできるだけこちら側に引き寄せるしかない。

インドという国とは、いくら嫌でも、厄介でも、やはり関わらざるをえないのだ。

伊藤 融 防衛大学校人文社会科学群国際関係学科教授

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いとう とおる / Toru Ito

1969年広島県生まれ。防衛大学校人文社会科学群国際関係学科教授。中央大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程後期単位取得退学、博士(学術)。在インド日本国大使館専門調査員、島根大学法文学部准教授等を経て2009年より防衛大学校に勤務し、21年より現職。著書に『インドの正体』(中央公論新社)、『新興大国インドの行動原理――独自リアリズム外交のゆくえ』(慶應義塾大学出版会)など、インド外交や南アジアの国際関係に関わる著作多数。

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