日本のGDPが「インドの4分の1」になる衝撃の日 軍事費も伸び、米中に引けをとらない水準に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さすがに2075年というのは、あまりに遠い話に聞こえるかもしれない。ただ、4半世紀後の2050年であれば、いまの大学生から30代までの世代が、社会の中軸で活躍するはずの、比較的近い、現実味のある未来だ。

さて、この2050年の時点で、各国の軍事費のほうはどうなっているだろうか? 軍事費を支える基盤は、いうまでもなく経済力である。そこで、各国のGDPに占める軍事費の割合が、現在と変わらないものと仮定して、PwCの予測をもとに2050年の軍事費を算出してみた。

そうすると、驚くべき結果となった(下記図)。アメリカは、たとえGDPで逆転されても、軍事費ではナンバー1をなんとか維持している。

ただ、米中軍事費の差は大幅に縮小し、2021年時点での2.8倍から2050年には1.4倍に半減する。

インドの軍事費も伸びる

しかしそれ以上に顕著なのは、インドの伸びだ。2021年時点では中国の27パーセント、アメリカと比べると10パーセントにも満たなかったインドの軍事費は、中国の86パーセントにまで肉薄し、アメリカの63パーセントに達する計算になる。

そうすると、インド軍の戦力は、米中に引けを取らない水準に達していることだろう。中国とのあいだで、国境問題やインド洋で戦闘に突入したとしても、勝利できる、という自信もでてくるかもしれない。

なお、日本では岸田内閣が2022年末、防衛費を2027年度までにGDP比で2パーセントにまで増額すると発表した。これを受け、一部メディアでは、「日本がインドをふたたび抜いて、世界第3位の軍事大国となる」などと報じられている。

これは間違いとまではいわないが、読者や視聴者のミスリードを誘う報道だ。というのも、この計算はあくまでも、2021年時点でのGDPを前提にした話にすぎないからだ。

これまでにみたように、IMFの予測では、2027年に日本のGDPはインドに追い越される。CBERの報告でも、2032年までにはそうなる見通しだ。

次ページ今後インドとどう付き合う?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事