世論が動く!あの署名サイトが力を持つ理由 昨年の都議会ヤジ問題でも脚光

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――米国は先進国では珍しく、有給の育児休業制度を持たない国ですが、Change.orgは企業として、そういう風土を変えようとしているのですね。

そうです。シリコンバレーでは、優秀な人材を企業が取り合うにあたって、育児休業制度を整える動きも広まってきています。Change.orgでも、自分の雇用主に対して、有給の育児休業制度を導入してほしい、と訴えるキャンペーンがいくつも立ち上がっています。

――社内に女性はどのくらいいますか。

たくさんいます。従業員の51%が女性で、管理職の40%が女性です。エンジニアのチームも27%が女性なんですよ。アジアを取りまとめているエミ(ハリス鈴木絵美さん)も、広報を担っているワカバ(武村若葉さん)も女性ですし。

女性はもっとリーダーシップを執るポジションに就くべきだ、と私は考えています。

――最後に、テクノロジー系企業の経営者として、日本の未来の「リケジョ」にメッセージがあればお願いします。

私の専攻は心理学なので、純粋な意味で理系ではありません。ただ、理系に進みたい女の子を、もっと支援しなくてはいけない、と思います。女の子は科学や数学や技術や工学の勉強をすべきでないとか、向いていないという偏見が根強いですから、それを覆すくらい、応援する動きも必要なのです。

私が大学生だったとき、数学の教授が、「君はこれ以上、数学を勉強しないほうがいい」と言いました。それで、私は数学系の講義を受講しなかったのですが、後にビジネススクールで統計学を学び、自分には向いていると思いました。もし、先生からあんなことを言われなかったら、私はもっと数学を学んでいたかもしれません。

人は自分に向いていることをやっているときに幸せを感じます。理系の勉強が好きな女の子が、好きで向いていることができるように、女の子が理系に進むことをもっともっと応援しなくては、と思います。

(撮影:梅谷秀司)

治部 れんげ ジャーナリスト

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じぶ れんげ / Renge Jibu

東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。日経BP社、ミシガン大学フルブライト客員研究員などを経て2021年4月より現職。内閣府男女共同参画計画実行・監視専門調査会委員、日本ユネスコ国内委員会委員、日本メディア学会ジェンダー研究部会長、など。一橋大学法学部卒、同大学経営学修士課程修了。著書に『稼ぐ妻 育てる夫』(勁草書房)、『炎上しない企業情報発信』(日本経済新聞出版社)、『「男女格差後進国」の衝撃』(小学館)、『ジェンダーで見るヒットドラマ―韓国、日本、アメリカ、欧州』(光文社)、『きめつけないで! 「女らしさ」「男らしさ」』1~3巻(汐文社)等。

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