世論が動く!あの署名サイトが力を持つ理由 昨年の都議会ヤジ問題でも脚光
――確かにChange.orgのサイトはとてもシンプルにできていますね。
また、キャンペーンの発信者(ソーシャル署名を呼び掛けている人)と意思決定権者が直接会話できるように心掛けています。
たとえば、ある人が、政治家に訴えたいことがあって署名を集めて、その署名を政治家の元に届けたとしましょう。すると、会合の様子を逐一、署名した人たちに報告することができます。自分のキャンペーンがメディアに報道されたら、署名してくれた人に記事をシェアすることも簡単にできるのです。
署名は、メディアをも動かす
――私も、自分が署名した案件について、呼びかけた人からリアルタイムで進捗が届くのがうれしいです。世の中には「署名なんかしても世の中は変わらない」と考える人もいますが、Change.orgは自分の署名の成果をすぐに実感できて、署名をした人も勇気づけられると感じます。
そうなのです。一人ひとりの署名はひとしずくの水のような小さなものですが、集まればバケツをいっぱいにして、社会を変えられる。リアルタイムで進捗がわかると、1滴ずつ水がたまっていく様子がわかりますからね。
――Change.orgは、メディアと個人の関係も「変えている」と感じます。官公庁は記者クラブを、大手企業は広報部門を持っていて、発信したい情報を広くメディアに届ける仕組みがありました。
Change.orgは、ある事象に関心を持っている個人と、それに賛成する人々の数を可視化してくれます。日本でも以前から、心ある記者は個人の関心に寄り添った取材執筆をしたい、と考えていました。そういう記者たちが「このテーマにはニュースバリューがある、人々の関心が高い」と上司を説得するためのツールになっていると思います。
――たとえば昨年夏の都議会セクハラ野次に際しては、「4日間で9万人からの署名が集まった」という事実が、大手メディアを動かし、たくさんの報道につながりました。
米国では、Change.orgはジャーナリストにたいへん人気があります。私はYahoo!やGoogle時代によくメディアの取材を受けていたのですが、Change.orgに移籍すると知った記者がたくさん電話をくれました。そして「私はChangeが大好き!」と言うのです。
Change.orgは個人を勇気づけるようなストーリーに満ちていますから。日本でもマタハラの問題を訴えた女性がChange.orgを使って署名を集めましたよね。彼女は後に米国務省から「国際勇気ある女性賞」を受賞しています。
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