海外「子連れ赴任」で変わる、家族の生き方

日本のやり方がすべてではない!

 こちらの早期教育とくにSTEM教育は豊か。サンフランシスコ近郊だけでも毎週末訪れても行ききれないほどの科学関連の施設が充実していて、大人も本気で楽しんでいる。所属する自治体のサマーキャンプのメニューはLEGOブロックを使った「初めてのエンジニアリング」や「初めてのプログラミング」「クッキングの科学」から始まる。(2000年薬学部卒、米西海岸)

前回記事でも少し触れましたが、日本は育児の方法やキャリアのあり方に画一的な面があります。実際に多様性を認める環境で子育てをしてみると、ママたち自身も学ぶことが多いようです。

 タイは女性の社会進出が世界的に見て最も進んでいる国のひとつです。「母親」「妻」は、家庭においてかいがいしく夫や子どもの世話を焼く存在ではなく、メイドやナニ―に的確に指示を出し、家庭を運営、指揮する存在。学校のお母さんたちと話していても私たち日本人が考える「母性」ではなく、強い「リーダーシップ」を感じさせられることが多いです。
父親の育児への参加は当たり前どころか、母親と同等あるいはそれ以上のケースも見受けられます。奥さんの赴任に帯同してきている「fulltime daddy」もクラスに何人かいますし、奥さんが専業主婦の場合にも学校への送り迎えは父親がしているケースが多いです。
 みなスタートラインが違うため、比較をすることが無意味で、むしろその違いを楽しむというほうに皆の意識があります。たとえば、出自ひとつとっても、国籍が違うというのはもちろん、代理母だったり、卵子提供だったり、体外受精、養子、お母さんが実は元男性(!)など、日本ではタブー視されるようなことが当たり前に開示されて、皆それを認めたうえで相手を尊重して付き合っている。とても“オトナ”だなと感じます。(2003年法学部卒、タイ)

主張しないと通らない

一方で、主張をしないと通らない!というのは欧米共通?

 こちらに来て、生活のいろいろな局面で主張していく必要があることを学びました。日本では一度言えば通じることがほとんどだが、こちらだと何かがうまくいかないことが多く、自分に関することは確認して再び要求していく必要があることに最初は慣れませんでした。日本の小学校や幼稚園ほどきっちりしていないので、読むべきプリントや指示が少ないのは親としては気が楽です。(2003年医学部卒、ドイツ)

 

 米国生活&子育てを経験して精神的にタフになったと思います。米国では、何ごとも主張しなければならない、交渉しなければならない、やってもらえるまで何度も言い続けなければならない、時間どおりに進まない、という調子で、いちいちストレスフルです。
 言語力の問題もあり、言いたいことがうまく伝わらず、伝えられないこちらが悪いというような雰囲気になって悔しい思いをすることも多々あります。そんな生活に子どもが加わり、世の中、思いどおりにいかないことだらけになりました。
 でも期待値が下がった分、物ごとが順調に進んだだけで心から感謝できるようになりましたし、ささいなことを心配してネガティブになりがちな私にとっては、「たいていのことは、計画どおりにいかなくても、最終的には支障はない」ということを実感をもって学べたことはよかったです。(2006年法学部卒、ニューヨーク)
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