「松山英樹と大谷翔平」海外で活躍する2人の共通点 世界で注目される選手の存在が次世代の励みに

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2年前の2021年、松山はアジア人初、日本人として初めてマスターズを制覇したことはいまだ記憶に生々しい。この勝利は歴史に残る大きな一歩で、日本のゴルフ界の悲願であったメジャー優勝であった。

過去には青木功や尾崎将司、中嶋常幸、倉本昌弘、丸山茂樹ほか、多くの選手が4大メジャー(マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロ)に挑戦したが、果たせなかった。松山の優勝で、日本人はメジャーには勝てないのではないかとのトラウマは見事、払拭された。

優勝が決まった最終日12日早朝のTBSの平均世帯視聴率は12.1%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)で、マスターズ中継で過去最高。ゴルフ界だけにとどまらず、その優勝を日本中が祝福した。内閣総理大臣顕彰を授与され、当時の管義偉総理も「新型コロナの影響が長引く中で、日本中の皆さんにまさに勇気と感動を与えてくれたのではないでしょうか。アジアでも初めての(マスターズ)優勝です。素晴らしい快挙だと思います」とコメントしている。

日本の礼儀正しさ、改めて話題に

現地で取材をしていると、松山は今年のマスターズでも話題となっていた。松山が優勝したとき、早藤将太キャディがゴルフ場に向かって一礼する姿だ大きく取り沙汰されたが、今年もアメリカのゴルフ雑誌『GOLF』の4月号の表紙に取り上げられ、それが注目を集めたのだ(下の写真)。

アメリカのゴルフ雑誌『GOLF』の表紙を飾った早藤キャディ(写真:筆者提供)

表題は“RESPECT”で、記事には「松山の友人でキャディの早藤将太は、18番ホールの旗竿からマスターズのフラッグを外し、旗竿を戻し、コースに向かって一礼し、『私の心は感謝でいっぱいでした』『マスターズに頭を下げて敬意を示すことは、私に取って自然なことでした』。2年経った今でも印象深く、表紙として改めてその瞬間を祝う」(筆者訳)とあった。

そしてもう1つ話題となったのが、毎年、開催週の火曜日の夜に行われる「チャンピオンズディナー」だ。このディナーにはマスターズ歴代優勝者が一堂に会する。

その様子は写真のみで公開されているが、マスターズ初日となる木曜日の朝、名誉スターターを務めたジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤー、トム・ワトソンが記者会見に臨んだ。その際、「今までに一番印象に残ったチャンピオンズディナーは」との記者の質問に、ニクラスとワトソンは、昨年の松山のチャンピオンズディナーでの、英語でのスピーチを上げた。

ワトソンは「ヒデキは、このようにそこに座って、目を大きく開いて、ずっと英語を覚えて暗唱しようとしていて、美しいスピーチをしていました。そして、それが終わった後、彼は頭を下げました。私たちは立ち上がって、拍手をして、とても特別なことでした」と語った。マスターズを勝ったことにより、名実ともにアメリカPGA(プロゴルフ協会)ツアーのメンバーとして受け入れられたともいえるだろう。

アメリカで活躍しているスポーツ選手といえば、直近ではWBCの優勝の原動力となり、MVPを獲得した大谷翔平が真っ先に思い浮かぶ。

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