タコス屋「タコベル」は日本をどう攻める? 海外部門トップに聞く、日本再上陸の勝算

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来日したタコベル インターナショナルのメリッサ・ロラ社長(撮影:今井康一)

――日本の外食市場は1990年代後半を境にピークアウトしている。なぜ、このタイミングでの日本上陸なのか。

日本の市場は縮小しているかもしれないが、ファストフードとしての市場自体は大きいと認識している。メキシカンという新しいカテゴリーを提供することが、われわれの大きな“売り”となる。

日本の消費者は新しい味など新しいブランドに対しては非常に敏感だと思う。そういう意味で、タコベルも日本市場で受け入れてもらえると感じている。

――タコベルだけではなく、カールス・ジュニアシェイク・シャックといった米国発のファストフード店も相次いで進出を表明している。

われわれと同じように、日本のマーケットにチャンスがあると見ているということだと思う。その中でも、タコベルとしては差別化を徹底し、ユニークな商品を提供していくことに力を注いでいきたい。

このタイミングでの進出は、最適な時期だと考えている。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が発達したことで、発信力がある人の意見が大きくなり、さまざまなニュースも瞬く間に広まっていく時代になった。今こそ、大きなファンを獲得できる時期だと思っている。

撤退後にファストフードが浸透した

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できたてを食べられるのがタコベルのウリの1つ(撮影:今井康一)

――日本には1980年代後半に進出したが、1990年代前半には撤退した。

かなり昔のことだが、当時はなかなか受け入れられなかった。だが、撤退した後になって、ファストフードが日本人の生活に根付くようになった。

今回、出店することを表明したら、SNSやWeb上でものすごい反響があった。タコベルの熱狂的なファンたちが日本にもたくさんいることにとても感激している。

――市場が変化したから、日本に再進出できると判断したということか。

それは両方だと思う。市場だけでなく、タコベルの戦略も変わったということだ。現在、米国で約6250店、そのほかの26カ国で250店を展開しているが、米国のみならず、海外で成長を遂げていく時期にきている。

海外はラテンアメリカ、アジア、ヨーロッパで店舗網を広げていきたい。アジアでは韓国、インド、フィリピンで展開しており、今後も店数を増やしていきたい。タイではフライチャイズの契約先を探している最中で、いずれ進出したいと考えている。

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