タコス屋「タコベル」は日本をどう攻める? 海外部門トップに聞く、日本再上陸の勝算

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メニューの豊富さもタコベルの特長だ(撮影:今井康一)

――海外、そして日本市場ではどのような成長をイメージしているのか。

海外では現在250店を展開しているが、2023年までに1300店体制へ引き上げていきたい。日本については、当面は渋谷の1店舗に注力して、いろんな情報を発信していく。

まずは渋谷店を成功させたい。その後はフライチャイズ先であるアスラポートと相談しながら決めていく。日本における今後の出店数については白紙の状態だ。

――今回、アスラポートをパートナーにしたのはなぜか。ヤム・ブランズ傘下なのだから、ケンタッキーやピザハットと一緒にビジネスをする可能性もあったはずだ。

タコベルは総代理店のようなフランチャイズを認めていないので、海外市場に参入するときはパートナーを探して進出することが一般的だ。したがって、(日本KFCホールディングスと)一緒にやるという選択肢はなかった。

アスラポートについては、同社の担当者が米・カリフォルニアの本社まで会いに来てくれた。そういった情熱や、ブランドに対する理解が深い点に、非常に感銘を受けた。さらに、日本でも相当数の飲食店を運営しているので、ノウハウを持っているということも大きい。人材の獲得や教育の面でも信頼できるパートナーだ。

2つの日本独自商品を展開する

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日本独自商品の「タコライス」(530円、撮影:今井康一)

――今回の日本進出に際して、どのような商品を展開していくのか。

今回の進出に当たって、2つの日本限定商品を出すことにした。「シュリンプ&アボカドブリトー」(590円)と「タコライス」(530円)だ。ブリトーは日本人になじみがある具材を使用した一方、タコライスは日本で進化を遂げた商品であることから、投入することにした。

だが、これに満足することはない。商品の進化を継続させて、日本の消費者に受け入れられるようにしていきたい。

――日本に消費者にメッセージを。

タコベルらしいおいしい商品を日本の消費者が味わっていただけることをうれしく思っている。タコベル初心者は豚肉をチョイスしたブリトーを薦めたい。あと、具材を層にして五角形に包んだ「クレンチラップ」も食べていただきたい。これからのタコベルに期待してほしい。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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