コンビニ3社が「生活用品」強化に奔走する舞台裏 コロナ禍で生まれた新たな需要獲得に動く

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ヒットのきっかけになったラインソックスは、履き心地の良さとデザイン性が売り物。インスタグラムには、ファミマのラインソックスを使ったコーディネートが多く投稿されている。足元のアクセントとして活用しているものや、友人同士でお揃いにした投稿など楽しみ方もさまざまだ。

ファッションブランド「ファセッタズム」創業者として知られる落合宏理氏をデザイナーとして起用。さらにアパレル経験者を採用し、開発体制を強化してきた。須貝氏自身も以前は百貨店向けのアパレルブランドで企画などを行っていた業界の経験者だ。

毎週会議を実施、従来より商品の入れ替えの頻度を高め、季節感の演出を意識している。繊維を強みとする親会社の力も活用した。伊藤忠商事のネットワークを生かすことで、約1万6000ある店舗に向けた大ロットの商品供給が安定して行えたという。

今後は、タオルやパンツなどの商品も強化すべく、専用の什器を用いた訴求型の売り場を展開していく予定だ。

外部の力の活用も進む

ローソンは2022年5月から良品計画の展開する「無印良品」を本格導入、現在では47都道府県で1万店舗で展開している。

ローソン店内に置かれた無印良品の棚。棚も専用のものを使用し、世界観を表せるように工夫がなされている(記者撮影)

専用の販促物などを利用して、一目で無印良品とわかる売り場を展開。無印良品というブランドの世界観を店頭で再現することを狙っている。標準的な店舗で棚4つ、最大で棚8つで展開するという力の入れぶりだ。

ローソンの藤井均商品本部長は、「本格導入前に1年間実験販売を続け、支持の高い商品をしっかり検証した。化粧水や食器洗いのネット、カレーなどの食品がよく売れている」と話す。

そしてセブンが手を組むのが、100円ショップ最大手のダイソーだ。セブンはこれまでPB(プライベートブランド)のセブンプレミアムを中心に展開してきたが、2022年4月からダイソーの商品の本格導入を始め、現在は導入可能な店舗のすべて約2万店で展開している。

導入の狙いについて、セブンの商品本部加工食品・雑貨部の片岡孝寛シニアマーチャンダイザーは「セブンプレミアムでも生活用品は開発しているが、開発に1年半程度時間がかかっている。新型コロナでの生活の変化に対応するにはスピードが求められる。セブンプレミアムではスピード感が足りなかった」と明かす。

次ページ空白地帯を埋める存在
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事