相場にどう影響?「政治家の発言」読み解くヒント 日本やアメリカの要人のコメントを振り返る
アメリカ政府が示す政策内容としては、米景気にとってプラスとなる財政出動が示されれば、一般的には株価やドルにとってプラスになるでしょうし、反対に財政赤字を削減するための増税方向であれば、株価やドルにとってマイナスとなります。
オバマ元大統領は、2008年のリーマンショックからなかなか立ち直れない米経済をテコ入れするため、2010年1月の一般教書演説で「輸出倍増計画」を掲げ、話題となりました。
「輸出事業を支援するために、我々は2014年までに輸出を倍増する目標を掲げた(To help businesses sell more products abroad, we set a goal of doubling our exports by 2014)」
アメリカ経済をサポートする内容であれば、本来ドル高となる傾向がありますが、これについては「輸出を増やす政策」=「ドル安容認」という見方が広がりました。
発言の直後は為替相場に目立った反応はありませんでしたが、徐々にFRBによる追加緩和の期待が高まったこともあり、結局この年はドル安・円高トレンドとなりました。
「HIA」が為替に影響を与える
また、より直接的に為替に影響を与えた政策としては、「HIA」が挙げられます。
これは「Homeland Investment Act」といって、2004年10月にブッシュ政権下で成立した法律ですが、その内容はアメリカ企業がアメリカ以外の子会社から、アメリカ国内での投資や雇用の目的で資金を送金する際、最高税率をそれまでの35%から5.25%に引き下げるというものでした。これは2005年中の送金に限った時限立法だったことから、同年はアメリカへの送金が加速し、ドル高につながりました。
なお、2011年夏には長引く景気低迷から、米議会で再びこの議論が高まり、翌年1月の一般教書演説でオバマ大統領がHIAに言及したことから、ドルが上昇する場面もみられました。
日本の総理大臣就任時に臨時国会などで行われる「所信表明演説」や、通常国会の冒頭に行われる「施政方針演説」は、あまり海外市場で注目されないため、為替レートに影響を与える可能性はほとんどないといってよいでしょう。
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