一流の人ほど「睡眠に投資する」超合理的な理由 体内時計が狂うと夜中トイレに起きてしまう

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このように、睡眠を起点に考えて自分のパフォーマンスを発揮する環境を整えることを、私は「睡眠投資」と呼んでいます。

毎日ぐっすり眠れれば、起きている間ずっといいコンディションでいられるため、生産性が格段に高まります。

1日のなかで連続したもっとも長い時間を占めるものが睡眠であり、睡眠時間次第でほかの活動のリズムも決まりますから、とても賢明なスケジュールの立て方といえるのです。

もし、どうしても翌日までにやらなければいけないことがあるときは、夜に粘るのではなく、いつもどおりの時間に寝て、早く起きましょう。

つまり、遅くまで仕事をして朝方に眠るのではなく、いつもどおりの時間に就寝して3~4時間だけ眠り、早く起きて仕事をする、ということです。

心身の健康を維持する最低限の「4時間」

眠っている間に細胞の修復を行ってくれる成長ホルモンは、「眠りはじめの4時間」に出ることがわかっています。

この最初の4時間だけでも確保できれば、心身の健康を維持する最低限の睡眠を確保することは可能です。

さらに、起きてから時間が経てば経つほど脳の働きは鈍くなるので、夜中に粘って作業することはとても効率が悪いのです。

また、「こまめに睡眠時間を調整する」ということも有効です。

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たとえば、1時間睡眠を削ってしまったら、翌日はちょっとでも早く帰り、不足した1時間の睡眠を取り戻すこと。つまり、プラス1時間長く眠るのです。

これでプラスマイナスゼロになります。

同じように、週の前半で連続して睡眠時間が不足したら、週の後半にちょっとだけ長寝して調整しましょう。

15分程度の昼寝もパフォーマンスアップに効果がありますので、ぜひ積極的に取り入れてみてください。

連休もあり、気候もよくて眠りやすい5月こそ、睡眠を見直すチャンスです。

この機会に、ぜひいい睡眠習慣を身につけ、自分の能力を最大限に発揮できる毎日にしていきましょう。

白濱 龍太郎 睡眠専門医

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しらはま りゅうたろう / Ryuutarou Shirahama

筑波大学卒業、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了(医学博士)。公立総合病院睡眠センター長などを経て、2013年に「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」を設立。約2万人の睡眠に悩む人を救ってきた。自身がオンオフの切り替えが苦手だったことから、睡眠の大切さを幅広く発信。医療以外の場でも、マイクロソフトやPHILIPSなど世界的企業での講演や、日本オリンピック協会(JOC)強化スタッフとして選手村で選手のサポートを行うなど、ビジネスやスポーツ界からの信頼も厚い。慶応義塾大学特任准教授、ハーバード大学公衆衛生大学院客員研究員などを兼歴任。『ぐっすり眠る習慣』(アスコム)など著書やテレビ出演も多数。

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