一流の人ほど「睡眠に投資する」超合理的な理由 体内時計が狂うと夜中トイレに起きてしまう

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深く眠ることができなくなると、糖尿病や動脈硬化などの心血管系疾患にもかかりやすいことも明らかになっています。

現に、血糖値の上昇が抑制しきれなくなることにより、睡眠時間が5時間以下の男性で、糖尿病の発症率が3倍にも上昇することが発表されています。

さらに、体内時計が乱れると、眠気をもたらすメラトニンというホルモンが十分に分泌されなくなります。

このメラトニンには、自然な眠りを誘う作用以外にも、さまざまな病気の原因となる活性酸素を消す働きや、がん細胞の増殖を抑制する働きがあるといわれています。

体内時計のリズムが乱れがちな夜勤の人は、がんの発生率が3倍というデータもあるのです。

そもそも、メラトニンは加齢によって減っていきます。

それはつまり、年をとると「眠りにくくなる」「深く眠れなくなる」ということです。

メラトニン分泌量のピークは、思春期に入る前の9~10歳くらい。これが20歳前後になるとピークの約半分、30歳前後では4分の1ほど、40代に入ると6分の1以下にまで減少してしまいます。

体内時計も加齢にともなってずれやくなるため、40歳以上の方は、とくに徹夜厳禁といえます。

世界一の選手も実践する「睡眠ファースト」思考

そこで提案したいのが、「睡眠ファースト」という考え方です。

ふだん、日中のことを中心に予定を立てて、睡眠時間は「調整代(しろ)」のようにしている方が多いかと思います。

しかし、「睡眠ファースト」はそれを逆転させ、1日のスケジュールで最初に睡眠時間を決め、そこからほかの予定を立てるという考え方です。

これは、大谷翔平選手も実践しており、インタビューで「いつ寝るかの準備を計画的にやる」と語っています。

次ページ睡眠を起点に予定や環境を整える「睡眠投資」
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