ハウスコインに力を入れる理由についてみずほは、キャッシュレス決済が日常使いのみならず、事業会社のサービスにおいても普及してきたからだとしている。クレジットカードに比べて決済手数料が安価なうえ、自社サービスでしか使えないハウスコインは利用者の囲い込みにも寄与する。
一方で、本音も見え隠れする。Jコインの本丸である個人向けだけでは採算を取るのは難しいのだ。
伸び悩むユーザー数
みずほはJコインの立ち上げにあたって、決済事業者のpringからソースコードを購入するなどシステム投資を費やした。正確な数値は公表されていないが、初期投資は数十億円規模に上ったとみられる。それゆえ、みずほフィナンシャルグループ(FG)の木原正裕社長からは「Jコインの仕組みをもっと活用できないか」と発破がかかる。
みずほ銀行決済ビジネス推進部J-Coin推進チームの武藤聖和調査役は、「リテール(個人向け)ビジネスだけで投資資金を回収するのは難しい。ハウスコインや決済データの利活用も含めて採算を取りたい」と話す。
Jコインは元々、個人向けのスマホ決済アプリとして誕生した。利用者数は2023年3月末時点で約90万人。年間数万人ペースで漸増してはいるものの、数千万人規模でひしめく同業に大きく水をあけられている。多額の赤字を覚悟で広告やポイント還元を行って顧客を囲い込む戦略から、距離を置いてきたことが一因だ。
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