ゴーゴーカレーが資金繰り悪化から回復できた訳 「脱サラ起業」から海外展開実現の創業者がつづる
スタートアップ=創業当時は、周囲の声を聞くことなく自分の信じる道を突き進めばいいと思います。しかし、専門家や経験者の言うことは別で、耳を貸すところは貸す。創業者やこれから起業するという方に、リスケはけっして恥ずかしいことではないということを伝えておきたいのです。
幸いにして当社は、ほぼ1年で危機から抜け出しました。赤字店舗の閉鎖などによって、財務を立て直すことができたからです。
事務所のスタッフも減らしました。長年ともに働いてきた仲間の肩を叩くのは自分の役目。それは身を切られるような思いを伴いました。
「どうにもならない状況なので、本当に申し訳ないですが解雇したいと思っています。割増金を払いますので、次の仕事を見つけてください」
いきなりクビを告げられて、「はい、わかりました」と納得してくれた社員はわずかでした。「出るところに出るぞ」と声を荒らげる人がいたり、「もっと割増をよこせ」と水面下で交渉してくる人もいました。しかし、フェアにいくため、個々に条件を変えるわけにもいかない。みんなが納得してくれるまで、ひたすら話し合いを続けました。
救世主となったレトルトカレー
再建の足がかりとなったのは、赤字店舗を減らしたことと、リストラによるコストカットだけではありません。新規融資が望めない苦境の中で、救世主となった事業がレトルトカレーです。
当時のゴーゴーは新規店舗を大幅に増やしながら、同時に金沢カレーを家庭でも味わってもらいたいという思いから、レトルト事業もスタートしていました。リスケの真っただ中で新規出店ができないぶん、そこに注力していたのです。
その戦略が当たり、「ドン・キホーテ」さんをはじめとして、全国のお店で販売されるようになっていきました。