「オワハラ認定」は命取り、ブラック企業暴走の愚 SNSに書かれ、無理やり入社させてもすぐ辞める

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採用担当者の仕事は、必要な人材を必要な数、必要な時に採用すること。真っ向勝負して採用競争に負けたら、社内で立場が悪くなってしまうのではないでしょうか。この点についても、企業の意識が急速に変わってきているようです。

「昔は、採用数が当初の予定数に達しないと、経営陣から『人事は何をしてるんだ!』と厳しく叱責されました。しかし最近、経営陣は、学生から相手にされないのは企業の魅力が足りないからだと認識を変え、『去る者は追わず、無理して採用する必要はない』と明言しています」(サービス)

「かつて当社では、『質が低い学生でも鍛えれば何とかなる。まずは頭数を揃えろ』という数を重視した採用方針でした。ただ、これだけ少子化が進むと、新卒者で必要数を確保するのは物理的に困難です。最近は中途採用を中心に据えて、新卒については数にこだわらず優秀な人に限定して採用するように方針転換しています」(機械)

オワハラは近い将来なくなる?

では、今後、オワハラ問題はどう展開し、企業にはどういう対応が求められるのでしょうか。多くの人事部門関係者から、「問題は深刻化し、企業にはより慎重な対応が求められる」という意見が聞かれました。

「当社で過去オワハラが問題になったことありませんが、セクハラと同じく人の感じ方の問題なので、ちょっとしたすれ違いでSNSで吊るし上げられる危険性があります。面接やSNS対応など、今後さらに慎重に臨む必要があると考えています」(小売)

「今後も少子化がさらに進むので、採用競争は過熱する一方でしょう。経営陣は、いまだに自分が学生だった頃の感覚で、『うるさい学生を黙らせて、さっさと採用しろよ』とか言っています。当社の特殊事情かもしれませんが、学生への対応だけでなく、経営陣の意識改革も大きな課題です」(建設)

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