部下の心をへし折る管理職の「悪気のない一言」 職場の心理的安全性を下げる無意識の口癖

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話をする男性
マネジャーがやってしまいがちな、職場の心理的安全性を下げる言動について紹介します(写真:amadank/PIXTA)
職場でメンバーを罵倒するようなマネジャーは論外である。しかし、「自分はそんなにひどいことをしない」と思っている人でも、何気なく発した一言や、無意識のうちにとってしまった仕草によって、メンバーを追い詰めたり、不安にさせたりすることがある。そうした積み重ねが職場の心理的安全性を下げ、生産性の低下を招いていることも少なくない。
元Googleの人材開発責任者でもあるピョートル・フェリクス・グジバチ氏の最新刊『心理的安全性 最強の教科書』から、マネジャーがやってしまいがちな、メンバーの心理的安全性を下げるちょっとした言動について紹介する。
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心理的安全性を確保して職場の生産性を高めるためには、マネジャーとメンバーが率直に感じたことを言い合える、風通しのいいコミュニケーションが必要です。そうした環境がなく、メンバーが「こんな発言をしても大丈夫だろうか」と不安になったり、マネジャーが「これを指摘してもいいのだろうか」と躊躇するような状態では、お互いに大事なことも話せず、忖度(そんたく)し合うような、生産性の低い職場になってしまいます。

ただし、言いたいことは言うべきですが、言い方には気をつける必要があります。本稿では、職場の心理的安全性を高めるための「言い方」の注意点について紹介します。

「なぜ」が人を追い詰める

トヨタの「なぜなぜ分析」で有名なように、物事の本質に迫るうえで「なぜ?」は有効な質問です。コミュニケーションにおいても、「なぜ」と相手の意図や真意を、詳細に確認することで、より正確に理解し合えるシーンも多くあります。

しかし、使い方を間違えると心理的安全性を壊しかねないやっかいな言葉であることも事実。マネジャーの皆さんは、つい、こんな使い方をしていないでしょうか。

次ページ疑問ではなく否定の「なぜ」
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