「部下との会話が苦手」が治る管理職のやるべき事 心理的安全性を高める「コミュ力向上」のヒント

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

プライベートなことも話してもらえる存在にどうしたらなれるのか、ハードルが高いというわけです。

ヒント1.会議室は人間関係の構築に向いていない

「さぁ、あなたのことを教えてください」と1on1をするのもいいのですが、会議室でいきなり「どこの生まれなの?」「子どもはいるの?」と聞くのはいかにも不自然です。

「なぜそんなことを聞くのだろう」と相手を警戒させるだけなので、心理的安全性の観点からも逆効果です。下手をすればパワハラやセクハラと受け取られかねません。

そもそも会議室は人間関係の構築には向いていない場所です。それもそのはず、会議室にはテーブルがあり、プロジェクターがあり、モニターがあります。会議室は会議をする場所であり、話し合いにより意思決定を行う場です。家族やプライベートの話をするための文脈があるわけではありません。

これはオフィス全般について言えることです。

では、プライベートの話も含めてざっくばらんに話してもらうには、どうすればいいのでしょうか。僕ならこんなふうに話を向けます。

ヒント2.相手が話しやすい状況をつくりだす

たとえば、コンビニへ買い物に一緒に行くときなどは、チャンスです。

「この辺は緑が多くて落ち着きますね。僕の生まれ育ったポーランドの村に似ています。ちなみに、あなたはどんなところで生まれて、育ったの?」

「このお菓子、子どもが大好きですよね。僕も自分の子どもにはよく買ってあげるんです。ところで、あなた、お子さんは?」

外に連れ出すと、仕事モードから離れて、気分が変わります。コンビニやスーパーには生活感も漂うので、家族の話など会議室では聞けない話もしやすくなります。プライベートの話は会議室でかしこまって質問するよりも、相手が自然な状態で安心して話せる状況をつくるのがポイントです。

「コーヒーが飲みたくなったから、誰か一緒に買いに行きませんか?」とマネジャーから誘ってみるのも手です。メンバーにお金を渡して買い出しを頼むマネジャーよりも、コンビニにも一緒に行くし、何ならゴミも一緒に捨てに行くようなフットワークの軽いマネジャーのほうが、メンバーといろんな話をするチャンスをつくれそうです。

あるいは、外でのランチや公園での休憩時間を共にするのはどうでしょうか。どんな状況なら相手が心を開いて話してくれそうか、それを自分なりに設計するのもマネジャーの腕の見せ所です。

心理的安全性の土台となる良好な人間関係を構築するのに、オフィスや会議室だけでやろうとするとかなりの無理があります。ランチやコンビニへの買い出し、休憩室での雑談など、オフィスや会議室以外の場所も戦略的に活用してみることをおすすめします。

次ページ誰でも拒否されたり失敗したりする
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事