リーダーに大切な「繰り返し、何度も伝える」姿勢 テニスとシリコンバレーで学んだチーム運営法

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いかに組織を健康に保つかを書いた『両利きの経営』に、興味深いアドバイスがありました。私なりに言い換えると、こんな内容です。

「大切なことは、1回言っても通じない。みんな『なるほど』と思うけれど、忙しいからすぐに忘れていく」

おもしろい話があります。結婚した翌朝に「あなたを愛してる」と相手にささやき、そのとおりに10年間愛し続けたとしても、その間に一度も「あなたを愛してる」と言わなかったら、10年たったあとに相手は自分が愛されているとは思わない、というものです。リマインドは大切だということです。

そこでカンパニー・ミーティングでは、「私はこれをします、これがフィロソフィーです」という話を、しつこいほど何度もします。忘れてもらいたくないところ、重要なところは、いくらでも繰り返します。

何度も聞くうちに「自分ごと」になる

何回も何回も聞くと、「わかった。私たちのリーダーは、こういうことを大切にしているんだ」とチームに伝わります。共鳴してもらえれば、チーム1人ひとりにとってそれがいつしか「自分が大切にしていること」になるし、ミッション(使命)になっていくはずです。

ミッションの有無は社員にとって幸せに生きられるかどうかに関係していると私は思っています。「自分が世界に役立っている」という手応えがないと仕事満足度は低く、それがもとで心を病む人だっているのではないでしょうか。

ただし、達成可能な具体案についてもビジョンを描いて説明することが大切です。そうでないと、ただのスローガンに終わってしまいます。このミッションを達成させるために何をするのか、ということが漠然としすぎると、「自分たちの命があるうちには結局何も完成しないのではないか」と思い、人もついて来ません。

だからこそ私は、ミッションを語ると同時に、手が届くことも考えるように伝えています。

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