ハーバード流「値上げで勝つ、負ける」戦略の差 ブランド力がなくても顧客満足度を高める方法
価格を上げて勝つパターン、負けるパターン
価格を上げて顧客を満足させることなどできるでしょうか。もし、それが信じられないなら、アップルストアに行くことをお勧めします。最新のiPhoneを買って出てくる人のうれしそうな顔を見れば一目瞭然です。12万円ほどもする高額な買い物であるにもかかわらず、かれらは不満を漏らすことなくむしろ嬉々として満足しています。
どうしてこういうことが起こるのでしょうか。それは顧客価値が価格以上に高いからです。顧客価値とは、支払意思額(WTP)のことを指します。WTPは、製品・サービスを購入するために支払ってよいと考える最大限の価格のことです。iPhoneの購入者は、このWTPが価格の12万円以上であるから、高価格であるにもかかわらず、iPhoneを購入して満足しているのです。
もし、iPhoneの在庫がなくなり、当面の間購入できなければどのようなことが起こるでしょうか。おそらく新品であれば、ネットオークションなどで12万円以上の価格で落札されることになるでしょう。このことから明らかなように、iPhoneのWTPはかなり高い水準にあるのです。
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