「武道館は目指さない」"11年目アイドル"驚く挑戦 「辛すぎる過去を越え…」彩瀬千聖が目指す世界

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順調に活動を続けているかに思えた2018年、再びグループが崩壊寸前に追い込まれる。所属メンバー2人が契約不履行により契約解除一時活動休止となる。

その時は、もう平気でしたね。以前は本当にショックでしたけど。とにかく毎回ライブも楽しくて『早く再開したいな』と思って。耐性ができました(笑)」

一度、辛いことを経験して戻ってきたアイドルのメンタルは、鋼のように強くなる。私の所感ではあるが、アイドル取材を通してキャリアの長いアイドルには共通していると言えるだろう。

活動休止からほどなくして、現メンバーの町村かなが加入し、無事活動を再開。コロナ禍に入り、台湾でのライブは一時途切れたが、今秋より再開する予定だという。

「目標は武道館」がすべてではない。たとえ今日のライブでお客さんの数が1桁であっても、それは変わらない

「(お客さんの数が1桁でも)その空間を楽しみます! そしてお客さんを楽しませる! もちろん瞬間的に辛い時はあるけど、ポジティブに考えています」

デビューからアイドル界に翻弄されてきた彩瀬千聖。アイドルとして自立すること。これもプロとしてのアイドルのあり方であろう。

「特典会でのファンとの会話はほぼ覚えている」という彩瀬。これも人気の秘密だろう(撮影:冠野亮太)

「誰でもアイドルになれる時代」だからこそ

そして今、ライブアイドルは正直、誰でもなれる時代となった。だからこそ、彩瀬は「生半可な気持ちでやってほしくない」と言う。

「アイドルは、ライブに来てくれる人の本当の意味で『希望』になることができるんです。だから中途半端にやって辞めていく子たちをみると、なんとも言えない気持ちになります」

台湾公演でのことだ。あるファンが自ら人生をあきらめようとしていたとき、偶然野外で行われていたTJの無料公演をみて、その姿に心を打たれ思いとどまったという。

これは出来過ぎたエピソードかもしれないが、アイドルを続けていると、必然的に誰かの夢や希望を背負うことになる。

人生という大きなものから日々のストレス解消まで大小さまざまだ。だからこそ、彩瀬をはじめとするアイドルたちは、日々ステージに立ち、「希望」を与えつづける存在でいようとする。

「まだまだ惜しまれる存在になるまで、アイドルやめませんから!」

計算されつくされたセリフなのか、はたまた天然か。彩瀬のはじける笑顔が、今日もライブハウスでファンを魅了しつづけている。

会場の大小にかかわらず、ステージではいつも全力のパフォーマンスを披露している(撮影:冠野亮太)

*この記事の後編:「毎日10-20km走る」アイドルの凄すぎる肉体作り

松原 大輔 編集者・ライター

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まつばら・だいすけ / Daisuke Matsubara

富山県出身。編集者・ライター・YouTubeプロデューサー。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。大学卒業後、講談社生活文化局にて編集見習いとなる。その後、文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などで編集者・記者を経て、2018年に独立。書籍の企画、編集や執筆活動、YouTubeの動画制作・プロデュース、アーティストマネジメントなどを行っている。

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