スズキ「スペーシア」軽ハイトワゴン苦戦の真実 電動化と半導体などの部品供給難に揺れる葛藤
軽自動車の新車販売で、ホンダ「N-BOX」優位な状況は変わらない。その一方で、2位以下は、スズキ、ダイハツ、日産が乱高下の様相で順位を競い合っている。そうしたなか、一昨年から強さを見せていたスズキ「スペーシア」が、昨年後半からダイハツの「タント」や「ムーヴ」などに上回られる状況がみられる。何か変化があったのだろうか。
世界的な半導体不足などによる影響
コロナ禍による生産や物流の停滞などによって、自動車メーカーは世界的に半導体を含む部品の供給に悩まされている。数万点といわれる自動車部品のうち、数百点の部品調達に不自由しているともいわれ、それも状況によって不足する部品の内容に違いが出るため、生産体制の維持に苦心が絶えないようだ。
そうしたなか、スズキは昨年2022年6月と今年2月に、生産工場の停止を余儀なくされた。そのうちの湖西工場は、スペーシアの生産拠点であり、いずれも3日間の停止となっている。その結果、納車が遅れ、昨年10月以降の販売台数においてダイハツのタントとムーヴの後塵を拝し、4位に甘んじたと想像することもできる。
しかし、大きく後退したのかというと、それほどではなく、3位のムーヴとは今年2月の数値で数百台と僅差でしかない。したがって、スペーシアの商品性が落ちはじめたわけではないだろう。
昨年8月には、「スペーシア ベース」という新たな車種を投入した。同車両は、うしろの車内空間をより自在に活用できる価値を提供した。このスペーシア ベースの販売台数は、スズキ広報によると発売直後の8月から1000台近くにおよび、以後、毎月千数百台を維持しながら、今年2月には1423台を記録している。発売した8月以降、7カ月間での合計販売台数は、9000台を超えているのだ。
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