「日本では制限も」キラキラネームに見る日独の差 ドイツは「性別がはっきりわかる」にこだわり

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そんな規定が厳しいドイツでも「子供にオリジナリティーあふれる名前をつけたい」と考える親は一定数います。先日はある親が子供にWhisky(ウイスキー)とBierstübl(ビアホールの意味)とつけようとしたものの法律の壁にぶつかって親の思いは叶いませんでした。

日本には「男の子にも女の子にも付けることのできる名前」が多数あります。「ひろみ」「かおる」「ゆう」などです。このことについて筆者は「多様でいいな」と感じています。しかし、かつてドイツでは、「子供の名前は性別がハッキリわかるものでないといけない」と決まっていました。

最近になって緩和されてきたものの、今もなおドイツでは「性別がハッキリしない名前」を子供に付けようとすると、役所で「性別がハッキリとわかる『2つ目の名前』も付けてはいかがですか」と勧められるなど、まだまだ性別へのこだわりが見られます。

東ドイツでアメリカ風の名前が多かった訳

ところで、ベルリンの壁が崩壊する前、東ドイツでは意外にもMike、Cindy、Mandy、Peggyといった「アメリカを連想させる名前」が多く見られました。社会主義だった東ドイツでは西側諸国への自由な渡航が認められないなど様々な制約がありましたが、子供にアメリカ風の名前を付けることには意外にも制限がなく、西側への憧れを抱く人の多くはその思いを子供の名前に託したようです。

筆者が出会った40代の旧東ドイツ出身の人にはアメリカ風の名前の人が多くいます。面白いことに、ベルリンの壁が崩壊した後に旧東ドイツの地域で生まれた子供にはドイツらしい名前が多く、アメリカっぽい名前はあまり見られなくなりました。

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