「日本では制限も」キラキラネームに見る日独の差 ドイツは「性別がはっきりわかる」にこだわり

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たとえば「姫凜」という名前の場合、「これはヒメリンと読むのか……? でも違うだろうな」などと悩みながらインターネットでリサーチするわけです。でも結局は本人や親御さんに聞かないことには読み方について確信は持てません。

困った筆者は、リストのなかの「読めないキラキラネーム」を蛍光ペンでマーキングし、「これらの名前については読み方をご本人または親御さんに確認する必要があります。」とドイツ人の担当者に伝えました。すると、ドイツ人の担当者は私にこう言いました。「え? 君は日本語ができると聞いていたんだけど、日本語、読めないの??」

これほど悔しい思いをしたこともありません。今思い出しても血圧が上がりそうです。この時はこのイベントに携わっていた複数の日本人が「私もこの名前は読めない」と助け船を出してくれたおかげで前述のドイツ人の誤解を解くことができました。でもこの一件があってから「キラキラネームは当事者だけではなく、思わぬ場所で色んな人が困る」と思うにいたりました。

キラキラネームをつけられないドイツ 

キラキラネームが珍しくない日本やアメリカと違い、ドイツでは法律上様々な制約があるためキラキラネームを目にすることはあまりありません。ドイツでは「町の名前を子供につけること」は禁じられていますから、子供にParisやMississippiといった名前を付けることはできません。

苗字と間違えられやすい名前や、Gucci、Pepsi-Cola、Nutellaといったブランド名や商品名も却下されてしまいます。ドイツ語でサクランボを意味するKirsche、そしてヨーグルトを意味するJoghurtといった「食べ物の名前」を付けることも不可能です。

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