在日インド人5000人が既に帰国--震災で大量帰国したインド人の再赴任はいつになるのか?


--まだ出国は続いているのでしょうか?

いいえ、明らかに在日インド人の出国ラッシュは過ぎていて、「次の段階」にあります。

--帰国した後はどうしているのでしょうか?

ビジネスの再構築などというカッコいいことはできず、結局は仕事をしていない状態のようです。「オフショア(インド)で出来るものはオフショアに移す」とコメントを出しているところもありますが、日本で本当に事業を続けるならそれは限界あるでしょう。基本的には再赴任しなければいけません。

--再赴任といっても難しそうですね。

帯同家族を避難させましたが、今度は単身で日本に再赴任する必要があります。彼らは、この時期を見計らっています。ところが、「フクシマの具合が一向によくなりそうもない、一体どうするんだ」という状態です。

ある避難者によれば「いつまでもインドに避難してもいられない」「東京は状況がより深刻になってきているようなので、どうすればいいかわからない状態」(インドIT大手スタッフ)なのだそうです。

つまり「いつまでも怯えてないで、早く東京に戻れ」ムードがムンムンしているようです。日本からの避難は会社から「許された選択肢」であり「指示」ではありせん。その事が彼らの立場を中途半端にさせてしまっています。

ある航空会社によれば「4月の予約がスカスカ」だそうです。つまり彼らの再赴任が、近日中ではなさそうだということだけはわかります。具体的な再復帰が見えてきません。

在日インド人の数はリーマンショックで大幅に減少しましたが、2009年末頃から在日インド人数は回復傾向にありました。さらに日印EPA締結などもあり、ビジネス上の連携機運が高まっていた矢先の震災と原発事故ですので残念です。

ここで政府に提言してもしょうがないですが、災害情報についてせめて英語での情報をもっと充実するなど、工夫が必要ではないかと思います。基本は各国大使館頼みです。欧米メディアの勝手な論調もあれこれ言えません。

また在日インド人でも、インド系企業の場合と日本企業では今回の対応も異なると思います。どこまで帰国を許しているかわかりません。インド人に限らず外国人の大量帰国は日本のシステム全体への警鐘と教訓をあたえていますね、1日も早い災害復旧と福島原発の事態収束を願うのみです。

(聞き手:東洋経済HRオンライン編集長:田宮寛之 須貝氏撮影:尾形文繁、写真は本文とは関係ありません)

すがい・しんいち
1973年生まれ。法政大学英文科卒業。外資系IT企業、インド関連コンサルティング会社にて取締役として事業の立ち上げ等を経て、現在はネクストマーケット・リサーチ代表取締役。中小企業診断士。

ネクストマーケット・リサーチ
インド・南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、インド進出支援コンサルティング、インターネット関連事業などを行っている。http://nm-research.com

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