奇跡?「DeNA」が首位に立っている理由 「見かけの戦力」よりも、大事なものがある

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黒田復帰で開幕前から大いに盛り上がっていた広島。黒田はすでに2勝しているが、打線がつながりを欠き、継投も決まらない。1点差負けが5試合もあった7連敗がこたえている。

逆に現在の上位3球団には、それぞれ「うれしい誤算」と言っていいほどのプラス材料がある。

中日は4番からズラリと並ぶドミニカン・トリオだ。ルナは打率3割8分2厘(.382)、新外国人ナニータ.381、エルナンデス.339。3人とも本塁打は1本も打っていないが、いずれも投球に逆らわずきっちり打ち返す。トリオのしんがりを務めるエルナンデスは得点圏打率.625と驚異の勝負強さを発揮している。

ひとつ飛ばして、ヤクルトは変身した投手陣だ。昨年リーグワーストの4.62にあえいだチーム防御率が目下、12球団で唯一1点台の1.67。12日の巨人戦(東京ドーム)で6点奪われて新記録更新はならなかったが、「開幕から13試合連続3失点以下」は1956年の西鉄(現西武)の持つプロ野球記録に並んだ。

DeNAの首位は「春の珍事」ではない

さて、最後になったDeNAである。こちらはもちろん強力打線。昨年リーグワーストの.253だったチーム打率が12球団トップの.280。打撃成績トップ10にバルディリス.372(2位)、ロペス.361(4位)、石川雄洋.357(5位)、筒香嘉智.345(6位)の4人がっている。打率だけでなくチーム本塁打13も12球団トップと、打ちまくっている。

この打線覚醒。最大の要因は、グリエルの契約解除にあると筆者は見ている。

総額5億円で再契約を結んだ「キューバの至宝」は右太腿の故障を理由に球団側の再三の来日要請を拒否してキューバに留まり、いつ来るかわからない。ケガの程度もわからない。業を煮やした球団がキューバに足を運んで契約解除を通告、2日の広島戦(横浜)の試合前に発表した。

「DeNAに暗雲?」と捉えた人もいるかもしれないが、中畑監督は平然と、いや、むしろ前向きに受け止めた。

「ないものねだりはしてられないよ。(グリエルが)いない場合の準備をしてきたんだから。これですっきりする。みんなが結集して勝つ方向に向かうことができるよ」

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