では、創業チームをどう評価したらいいのか? 当然、VCによってやり方はそれぞれ異なるが、何を調べるかについてはいくつかの共通点がある。
まずひとつは、この創業チームがそのアイデアを追求するにいたった独特のスキルやバックグラウンド、経験は何かということだ。わたしのパートナーは、「製品ファーストの企業」に対して「企業ファーストの企業」という概念を用いる。
「製品ファースト」か「企業ファースト」か
製品ファーストの企業の場合、創業者はある問題を特定するか経験し、その問題を解決する製品を開発するにいたった。そしてついに、その製品を市場に出すための手段として、企業を設立するよりほかになかった。
企業ファーストの企業では、創業者はまず企業を起こしたいと決意する。そして企業を中心に構築するために、関心を集めるだろう製品のアイデアを出す。
もちろん最終的には、成功を収める企業はどちらの形式からでも生まれるのだが、実際には製品ファーストの企業が企業設立の本来の性質を表している。創業者が経験した現実社会の問題が、製品を(そしてついには会社を)創る刺激となる。
このような本質的なきっかけが、VCには非常に魅力的に映るものだ。
プロダクト・マーケット・フィット(製品と市場の適合性)という概念は、間違いなく多くの人になじみがある。
スティーブ・ブランクとエリック・リースによって世に広まったプロダクト・マーケット・フィットは、適切な市場に向けて、その市場のニーズを満足させる製品を送り出せている状態を指摘した概念だ。消費者の「喜び」と再購入は、プロダクト・マーケット・フィットの典型的特徴である。
エアビーアンドビーにはこれがある。インスタカートにも、ピンタレスト、リフト、フェイスブック、インスタグラムにもこれがある。その製品が登場する前はどうしていたのか、消費者には想像がつかない。
製品の画期的な性質と、製品が目的とした市場の問題に対する適合性から登場したので、やはり本質的に顧客を引きつけるのだ。
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