今後、この流れは一気に加速するでしょう。なぜなら、2022年度からは高校での学習指導要領が新しくなり、この学力の3要素を重要視した授業が展開されているからです。
特に2024年度の入試は、新しい学習指導要領で学んできた高校生が受験する最初の入試です。従来のものからガラッと変わることが予想され、すでに多くの大学では入試問題の変更について協議がなされているのです。
大学入試のセオリーは今後どうなっていく?
これまでの暗記偏重型戦略(詰め込み)の効果が薄くなり、高い思考力が必要となった一般入試には、今後、ついていけない高校生が増えていくでしょう。それに伴って、合格させるためのメソッドの再現性も低下していくことが見込まれます。
この状況に拍車をかけているのが、大学側の入試広報戦略です。大学はその偏差値によって序列が決まり、その高低によって受験生の人気が変動する現実があるため、どうしても偏差値を高く出そうとしたがります。
では、どのようにすれば偏差値を高くできるかといえば、「一般入試での合格者数を少なくすること」がその答えなのです。これは偏差値のカラクリなのですが、一般入試の合格者を少なくするほど、偏差値上位層のみを合格とすることになり、結果として合格最低ラインが上がって大学の偏差値も引き上がります。
一時期、文科省が大学の定員に制限を設けた際にMARCHの大学の偏差値が上がり、入ることが大変になったのはそのためです。
では、大学は一般入試で減った入学者数をどのようにして補うのでしょうか。
その答えが、一般入試の前段階で入学者を決定できる総合型選抜や学校推薦型選抜の入学枠を増やすことです。こうすれば、定員は確保しつつ、大学の偏差値も高く維持することができるのです。
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