「救急動物病院」取材で知る、"犬の血液型は8種類" 肉球でわかる病気、夜間に多いトラブルは?

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夜間救急動物病院目黒の診察室の様子(写真:筆者撮影)

東京・目黒区碑文谷の住宅街に、救急専門の夜間救急動物病院目黒(小林良院長、獣医師)がある。

同院は年中無休で毎夜、開院。午後8時から翌朝午前5時まで近隣住民が飼っている動物に対する救急医療を、獣医師2~3人、動物看護師2人の体制で提供している。

緊急電話がかかってくると、動物看護師が対応し概要を獣医師に説明。救急病院といっても救急車が到着するわけではなく、病院には動物を抱いた飼い主が自家用車、もしくはタクシーで来院する。救急病院は比較的重症な症例を扱うため、慎重かつスピードを重視した初期対応が求められる。容体次第では、緊急手術が必要になるケースもある。

診察室には診察台があり、血液検査機器、レントゲン機器、内視鏡のほか、人工呼吸器など、人が受ける医療とほぼ同じような環境が整っている。獣医師や動物看護師は、治療を受ける動物のことを“患者さん”、飼い主のことを、“お父さん”“お母さん”と呼ぶこともある。まさしくペットは、家族の一員なのだ。

ある日の夜の診療現場を取材した。

うちの子が何かを飲み込んだ!

午後8時過ぎ

開院と同時に「うちのこ(犬)が何かを飲み込んでしまった」との問い合わせの電話が入る。

獣医師が、飲み込んだものの大きさや、中毒性の物質を摂った疑いがあるかどうかを確認すると、飼い主は、「一体何を飲み込んだかわからない」という。取り急ぎ来院するよう促す。

誤飲については、なぜか夜に救急対応しなくてはならないケースが多いという。飼い主が仕事を終え帰宅して、一緒にいる時間だから気づくということもあるようだ。食卓に置いてあった玉ねぎの入ったハンバーグを食べてしまったり、コーヒー豆やチョコレートといった禁忌の食べ物を口にしてしまったりすることがある。

飼い主の到着を待つ間、小林院長ら獣医師と動物看護師は、限られた情報を基に準備を怠らない。

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