日韓関係「戦後最悪から改善の兆し」が見える意味 立民・玄葉氏が明かす日韓関係悪化の「舞台裏」
梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):長年中断している日韓間のシャトル外交だが、中断の発端は12年前の民主党政権時、日韓首脳会談の前日に行われた夕食会で、当時の李明博大統領から野田首相に慰安婦問題であるリクエストがあったという。その場には当時、外相だった玄葉氏の姿もあった。この会談の直後、日韓関係は急激に悪化することになった。夕食会で李明博大統領から一体どんなリクエストがあったのか。
12年前の首脳会談で何が
松山キャスター:12年前の野田・李明博両首脳の会談が、日韓関係がどんどん悪化していくきっかけになった。この時、実際どういうやりとりがあったのか。
玄葉氏:夕食会は非常に打ち解けたムードで始まったのだけれども、ある程度酔いが回ったあたりで、李明博大統領が「私はベトナムで謝った。だから、あす野田さんも謝ってくれ」と言い出した。とても意外だった。
2カ月前に野田・李明博首脳会談が初めて行われた時に、李明博さんは「私は歴代政権のように対日歴史カードは絶対に切らない」と言っていた。野田さんはそれを聞いて「大変立派な大統領だ」と評価していた。にもかかわらず、2カ月後に大統領がそう言ったので、我々は大変驚いた。その前月に韓国の憲法裁判所で「慰安婦問題で政府が動かないのは違憲だ」などとする判決が出ている。
ご承知の通り、韓国は時折、司法が政治を忖度する。しかも政権交代でタイムラグがあって(政権の意向と)逆の結果が出てしまったりする。それもその一つだったと思う。当時の金星煥外相が、私に「すごく困惑してる」と漏らしていた。夕食会で野田さんは聞いていただけだった。一晩考えたと思うが、歴史問題は度々繰り返されるので、今回謝罪をする意味合いをあまり感じなかったのだと思う。次の日の首脳会談ではこの問題で応酬になったと記憶している。
松山キャスター:その後、李明博大統領が竹島に上陸し、日韓関係は徹底的に悪化していった。玄葉さんはまさにその潮目の瞬間に立ち会った。