松山ケンイチ「1年の半分は田舎生活」で得た学び 憧れの俳優は「木村拓哉」意外な松ケンの一面も

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やはりそこでは、コミュニケーションが大事になってくるのではないでしょうか。斯波だって誰かと話ができていたら、助けがほしいことを誰かと共有することができていたら、また違った状況になっていたかもしれません。お客様それぞれの感じ方があると思います。

疲弊しないために家族との時間を大切にする

――NHK大河ドラマ『どうする家康』の本多正信役とTBS金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』の魚住譲役の好演で、今期いちばんの話題の俳優になっています。何度目かのブレイクのタイミングが来ているのでしょうか。

たまたまいい役柄と作品に出会えて、そのタイミングが重なっただけですけど、話題になるのはうれしいですし、ありがたいです。監督と共演者の方々のおかげですね。出演する作品のペースはこれまでと変わっていません。

僕はたくさんいる俳優のなかの1人。基本的に俳優は作品に出続けないと、次から次へといろいろなエンターテインメントがとんでもない速さで流れる時代の波にのみ込まれて、消えていってしまったりします。

でも、だからといってずっと出続けていると、心が疲弊してきちゃうんですよね。なので、そのバランスを取っていかないといけない。そのジャッジは自分自身がしっかりやらないとダメだと思っています。

松山ケンイチ(撮影:今井康一)

――バランスを取るためには、どうしているんですか?

僕にとっては、仕事をつめこみ過ぎないことです。子どもと一緒にいる時間や、家族と過ごす日々はかけがえのないもので、そこから得られることってたくさんあるんですよ。

なので、ここ数年は、子どもと一緒に過ごす時間を大切にしています。家族との時間と仕事を両立できるようにやってきました。そういうことをしないと僕自身がおもしろい人間にならない。

たまたまおもしろい役が自分にまわってきたとか、自分の目の前におもしろいことが降りてきたとか、流れにすがるだけでなく、自分自身がおもしろい人間にならないといつまでも待つだけになってしまう。もっとアクティブになりたいと思ったんです。

それを教えてくれたのは、どんどん成長していく子どもたちです。

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