光岡「ビュート」マーチからヤリスに変わる理由 後継車の「ビュートストーリー」先行予約開始

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4代目マーチ
2022年、40年の歴史に幕を閉じた4代目マーチ(写真:日産自動車)

日産マーチが生産を終え、ビュートの歴史はヤリスをもとにしたビュートストーリーに受け継がれる。ビュートにかけた光岡自動車のこだわりが、車種を変更してもビュートを継続する決断を促したのではないか。

ヤリスは、国内では「ヴィッツ」の名で販売されてきた小型ハッチバック車の後継だ。海外では、初代ヴィッツのときからヤリスの車名で売られていたが、国内での車名変更にあわせ、現行ヤリスはヴィッツ時代から大きく進化した。

GRヤリス
WRC参戦から生まれたスポーツモデルのGRヤリス(写真:トヨタ自動車)

「プリウス」より1つ下の車格である小型ハッチバック車向けのTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)がヤリスで採用され、走行性能は飛躍的に向上している。またヴィッツの時代から参戦してきた世界ラリー選手権(WRC)でのさらなる活躍を期した外観の造形も、ヴィッツからヤリスへ改まった意味を視覚的にも訴える。客室部分が小さく、前後のフェンダーは大きく張り出した姿は、壮快な走りを想像させる。たとえば競合のホンダ「フィット」に比べ、後席の居住性はやや劣るが、丸みを帯びた客室部分がビュートを継承するうえで役立ったのではないか。

歴史をつなぐ、ビュートストーリーの登場

エンブレム
リアに取り付けられたビュートストーリーのエンブレム(写真:光岡自動車)

精悍さを増したとはいえ、新しいビュートストーリーは、ビュートの系譜であることを印象付ける外観に仕上がったと感じる。腕に覚えのある光岡自動車の職人たちの心意気が伝わってくる。そしてヤリスの走りのよさは、英国のジャガー・マークⅡを改めて彷彿とさせるかもしれない。

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先行予約を開始したビュートストーリーの発表・発売は今秋になるという。速さや壮快さを前面に押し出したヤリスとは趣が異なり、先代までと同様に優美さをたたえたビュートストーリーを待ち望む消費者は多いのではないか。

 

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御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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