光岡自動車を代表する乗用車の1台が「ビュート」だ。日産の2代目「マーチ」をもとに、英国のジャガー「マークⅡ」のような気品ある外観が特徴で、1993年に初代が誕生した。
2代目マーチは、初代の角張った外観から丸みを帯びた姿にかわり、その様子がジャガー・マークⅡに通じる着想をもたらしたのかもしれない。車体前後は、光岡自動車独自の造形によるものだが、客室部分はもとのマーチの車体を活用する。マーチ自体が丸みを帯びた姿であることに意味はあっただろう。
3~4代目のマーチも、外観は丸みを帯びた造形が継承され、ビュートの素材として有効であったに違いない。
ベース車をマーチからヤリスに変更する訳
ビュートの後継とされる新型「ビュートストーリー」は、トヨタ「ヤリス」をもとにしている。背景には、マーチが生産を終えたことが大きいはずだ。ビュートより上級車種である「ガリュー」も日産車を活用したが、「セドリック」の生産終了とともに姿を消している。
累計1万3000台という販売を重ねてきたビュートの魅力は、1950~1960年代の英国車風の姿と、5ナンバーのコンパクトカーという扱いやすさが見事にかみ合った成果といえる。マーチが生産を終えてからビュートを実現できる車種を光岡自動車は探していたはずだ。
マーチもヤリスも、世界で販売されるグローバルコンパクトカーだ。走行性能はもちろん、安全性能についても時代の先端にある。それを土台とすることで、ビュートやビュートストーリーも、世界に通じる走りと安全性能を消費者は手に入れることができる。
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