「九州道ですか?」中学生が開発したSA/PAグルメ 「あられ」と「うどん」の味わい深い背景

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桜島SA(上り)で見つけた「九州道ですか?あられ」のポップ(筆者撮影)

マスク着用の制限緩和とともに桜の便りもちらほら届きはじめ、週末の高速道路の渋滞もコロナ以前を上回るような状況になりつつある中、3月上旬にたまたま訪れた九州のサービスエリアで、目を引く商品に出会った。

桜島SA(上り)の売店で最も目立つところに置かれていた「九州道(どう)ですか?あられ」というお菓子である。

何より「九州の高速道路限定」というキャッチフレーズが、“限定”に弱い筆者のハートをわしづかみにした。しかも、ポップにはかわいらしいイラストとともに、「直方市の中学生が考案」と書かれている。

迷わず購入し、自宅に帰って食べたところ、サクサクとした食感と香ばしい醤油の匂いが相まって、お土産品としても文句のつけようのない商品であった。

パッケージに印刷された中学生の声

小袋入りのあられ8パックが大きな袋に入っているが、その袋の裏には商品開発に携わった福岡県直方市の4つの中学校(直方第一、直方第二、直方第三、植木中学校)の生徒たちの声が印刷されている。

開発に関わった4つの中学校の生徒たちの声(筆者撮影)

さらに芸が細かいことに、小袋にも生徒たちが集めたと思われる九州各県の細かな「あるある話」が書かれている。たとえば、「鹿児島 天気予報で桜島上空の風向きの予報がある」「大分 渋滞のことを“一寸ずり”という」「宮崎 チャンネルを替えることを“裏にして”という」などなど。

一つひとつの小袋に書かれている“九州あるある”も楽しい(筆者撮影)

学生と企業のタイアップで商品開発・販売が行われることは、それほど珍しいことではない。

一例をあげると、JR大船駅(神奈川県鎌倉市)などで駅弁を販売する「大船軒」は、何年も前から地元の鎌倉女子大学とのコラボで開発した駅弁を定期的に販売しているし、2022年にはJR芸備線神杉駅(広島県三次市)の開業100年を記念して、県立広島大学と三次フードセンターによる「コラボ駅弁 神杉縁線弁当」をイベント会場で販売している。

また、高速道路でも2022年11~12月に相次いで販売された、北陸道の南条SAで福井県立奥越明成高校が開発に携わった「越前鶏天丼」、同じく北陸道尼御前SAで石川県立大聖寺実業高校が開発に携わった「素敵(ステーキ)な能登豚重」などもある。

また九州では、2018年~19年に熊本県の玉名女子高等学校がかかわった「にこにこ玉女パイ」が九州道玉名PAで販売されたこともあった。とはいえ今回、桜島SAで見つけたあられは、中学生の考案である。

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