トヨタ「アルファード」9年目でも売れ続ける謎 モデル末期でも衰えない勢いと唯一無二の価値
一般社団法人日本自動車販売協会連合(以下、自販連)が発表した2022年1~12月の年間新車販売ランキングで、トヨタ車が1~10位のなかに7台も入っている。その顔ぶれは、5ナンバー車を中心に、そこからわずかに車格を拡大した3ナンバー車となっており、その選択肢の豊富さには国内市場に目を配るトヨタらしさが表れている。一方で異彩を放つのが10位に入っている大型ミニバンの「アルファード」だ。
自販連の統計による過去5年間の数字を見ると、2018~2019年はアルファード単独で6万台前後だが、兄弟車の「ヴェルファイア」をあわせると年間10万台を超える。そして2020年からはアルファードだけで9万台となり、それが昨年まで続いているのである。
唯一無二“アルファード”という存在
競合として存在した日産「エルグランド」の名は、年間の販売ランキング上位50位にも入っておらず、電気自動車(EV)「リーフ」にもおよばない様子が浮き彫りになっている。また、ホンダの「エリシオン」は2013年にすでに姿を消しており、車格が下の「オデッセイ」さえ、一昨年末に生産を終えているのである。
現行アルファードは、2015年のモデルチェンジによって3代目となり、今日にいたる。今年で9年目に入るにもかかわらず、大型ミニバンとして唯一人気に衰えを感じさせない。競合他車が消えていくなか、なぜ、アルファードはそれほど強いのかと、多くの声を耳にする。トヨタ車のミニバンでも、かつて一世を風靡した「エスティマ」は姿を消しているからである。
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