トヨタ「アルファード」9年目でも売れ続ける謎 モデル末期でも衰えない勢いと唯一無二の価値

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インテリア
3代目アルファードのインテリア(写真:トヨタ自動車)

単に大型ミニバンとしての上位を目指すのではなく、新たな高級車像として開発された現行アルファードは、LSやクラウンに代わる高級車の象徴として定着したのだろう。消費者もその価値に納得し、アルファードに乗り続けたいと思うのではないか。

アルファードの価格帯は、359.7万~775.2万円となっているが、トヨタ広報によれば、人気車種はSCパッケージ、Sタイプ・ゴールドⅡ、ハイブリッド車のSCパッケージが上位で、中間的な価格帯が売れ筋のようだ。それでも500万円近くする。新型クラウンの価格帯は、435万~640万円で、そこにアルファードの人気車種の価格帯も重なることになる。クラウンを選ぶか、アルファードを選ぶか、そういう選択肢になっているのだろう。またそれによって、新型クラウンは単に従来型の4ドアセダンではなく、クロスオーバー車という新たな概念への挑戦を開始したはずだ。

ミニバンをもとにしたことで生まれた優位性

サイドリフトアップシート車
福祉車両となるサイドリフトアップシート車(写真:トヨタ自動車)

アルファードはまた、福祉車両も用意され、せまい場所でも2列目からの乗降を支援する新機構のサイドリフトアップチルトシートは、とりわけ乗降性に優れ、上級車にふさわしい装備となっている。ミニバンがもとであればこそ、福祉車両にも高級という価値が加わることになった。

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ミニバンであることによって得られる快適空間は、SUV(スポーツ多目的車)では実現できない。たとえ英国のロールスロイス(製造するのはBMW)がSUVをつくろうとも、アルファードの価値は別のところにあるのだと思う。そして、世界的にも唯一無二の選択肢であるのだ。

「いずれのお客様の需要にもお応えできる商品となっており、また指名買いされる車種に育っていることがうれしい」と、トヨタ広報も喜んでいる。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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