【寝ぼけ】「睡眠時の奇声」男性に多い病気の正体 自覚少なく、家族が気づいて病気がわかる例も

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現代の医療では、パーキンソン病やレビー小体型認知症は、進行を抑えることしかできない。

ただ、レム睡眠行動障害は、薬物治療で症状を改善することができる。抗てんかん薬のクロナゼパム(リボトリール、ランドセン)という昔から処方されている薬が使われており、最近では漢方薬などの選択肢も増えている。

日中の運動で睡眠の質を改善することで、寝ている間の異常行動を抑えられるのでは、という考えを持つ人もいるかもしれないが、「レム睡眠行動障害そのものは、生活習慣で改善できる次元をすでに超えており、治療の必要があります」と西多さんは警鐘を鳴らす。

寝室に危険なものを置かない

では、家での対策はどうしたらいいか。

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家族が患者本人と一緒に寝ている場合は、家族が危険な目に遭う恐れもある。極端な話かもしれないが、例えば野球選手ならバットなど、普段使い慣れている仕事道具を寝室に置いてあれば、振り回してしまう可能性もまったくないわけではない。

西多さんも「寝室に危険なものを置かないことはもちろんですが、寝ている間に動く場合は治療の必要があるため、すぐに病院にいきましょう」と話す。

もしも家族や周りで、睡眠中に奇声をあげる、暴力的な行動をとる、といった症状が見られる人がいたら、すぐに医療機関を受診したほうがよいだろう。

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(取材・文/若泉もえな)

早稲田大学スポーツ科学学術院教授、早稲田大学睡眠研究所所長、精神科医
西多昌規医師

東京医科歯科大学医学部卒業。ハーバード大学客員研究員、東京医科歯科大学大学院助教、自治医科大学講師、スタンフォード大学客員講師などを経て、現職。日本精神神経学会精神科専門医、日本睡眠学会専門医、日本老年精神医学会専門医など。専門は睡眠医学、身体運動とメンタルヘルス、アスリートのメンタルケアなど。著書に、『休む技術』『休む技術2』(大和書房)、『悪夢障害』(幻冬舎新書)、『自分の「異常性」に気づかない人たち』(草思社文庫)などがある。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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