【寝ぼけ】「睡眠時の奇声」男性に多い病気の正体 自覚少なく、家族が気づいて病気がわかる例も

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レム睡眠行動障害の患者は、奇声をあげるなどの寝ているときの行動を覚えていない場合もあるが、「そういったこともあったかもしれない」といったあやふやながら記憶が残っている場合がほとんどだという。

だが、それが病気であるという危機感はほとんどない。むしろレム睡眠行動障害が発覚するのは、一緒に暮らす家族が夜中の異常行動に気づくパターンが多い。

さらには、単身で住む高齢者では、下の階の住人から苦情がきたことで病気が発覚することもあり、高齢者施設に入居しているのであれば、職員が気づく場合も少なくない。

「夢遊病」との違いは?

レム睡眠行動障害による異常行動は、レム睡眠が出現しやすい睡眠後半(夜中から明け方)によく見られるが、高齢者は早寝早起きのため、夜中の早い時間帯に表れることもある。睡眠不足など睡眠の質が関係する場合もあるが、昼間に見られることはほぼないそうだ。

またレム睡眠行動障害の症状は、毎日出るというわけでもない。日によって出ない日もある。 なぜ出る日・出ない日があるかは、原因は解明されておらず、その出現頻度も個人差がある。

“寝ている間に体が動く”と聞くと、「夢遊病」を思い浮かべる人もいるかもしれない。だが、夢遊病とレム睡眠行動障害は別物だ。

夢遊病は子どもに多い睡眠時の行動障害だ。脳の一部分が未熟なため、夜に大声で泣く、ベッド付近をうろうろするといった行動をとり、成長するとたいていの場合は症状が消える。

「夢遊病は、夢で遊んでいるようなイメージですが、レム睡眠行動障害は夢の中でどなりつけているような状態で、ほとんどの患者さんは楽しそうではありません」(西多さん)

実はレム睡眠行動障害は、手足が震えたり、筋肉がこわばる「パーキンソン病」や、幻視が繰り返されたり、会話が理解できなくなる「レビー小体型認知症」といった神経系の病気の初期の症状の可能性がある。

パーキンソン病やレビー小体型認知症は、ノンレム睡眠とレム睡眠の切り替えをつかさどる脳部位に異常が生じることで発症する。その初期症状としてレム睡眠行動障害が表れていると考えられているのだ。

パーキンソン病は日本では約1000人に1~1.5人いるとされ(難病情報センター)、レビー小体型認知症は推定90万人以上の患者がいる(小阪憲司監修『レビー小体型認知症がよくわかる本』)。

「患者さんがレム睡眠行動障害を疑って病院を受診する場合は、最初に精神科や心療内科を訪れるケースが多いのですが、原因となる神経の病気がある場合もあるので、まずはMRI(磁気共鳴断層撮影)などがある大きな病院で脳の検査を受けてほしい。その後に脳神経内科や精神科のクリニックなどで診てもらったほうがよいでしょう 」(西多さん)

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