「出遅れ就活生」が効率よく巻き返す方法は? まだ「就活サラブレッド」に太刀打ちできる
となれば、やるべきことはただ一つ。入社後数年かけて経験するであろう仕事の幅、それらの達成感、あるいは挫折感などを、これからの5か月で可能な限り先取りして吸収し、動機のひな形くらいは自分の中に作っておくことです。
もちろん、企業の形成する母集団に登録することも重要ですが、筆者なら合わせてOB訪問を重点的に行います。数は多くないですが、4年生向けのインターンも春、夏に行われているので、そういう機会を利用することも検討します。それらをうまく組み合わせることで、スキルと動機をまさに育てつつある先人たちの“息吹き”を自身も感じることが出来るはず。
ここで重要なのは、あくまでも現場で働く人たちの生の声が必要だという点です。日本企業のインターンシップには、半日~数日レベル、それも研修施設などを使った“お客様インターン”が多くみられます。そういうのは何十回行っても、自己啓発本を読んで「あ~なんか俺成長した気がするな」と思わされてしまうのと同じ程度の効果しかありません。
また、OB訪問も、企業側が組織して送り込んでくるリクルーターよりも、顔見知りの先輩や、キャリアセンターにある卒業生名簿などを使って自分でコンタクトをとったOBの方が価値があります。というのも、向こうからやってくるリクルーターは人事部がコミットしていて、テキパキこなれた対応はしてくれても、必ずしも本人の生の声を聞かせてくれるとは限らないからです(そういうのを後輩のために話してくれるリクルーターもいるので一概に否定はできませんが)。
まとめると、インターンでもOB訪問でも、とにかく実際に現場で働く人の空気を吸ってこいということですね。
OB訪問を有意義なものにするために
そういう観点から、筆者の考える最悪の3月スタートダッシュについてもまとめておきましょう。それは、とりあえず各業界の大手と呼ばれる企業に手当たり次第にエントリーしてまわることです。そして、就職フェアだの合同企業説明会だのに顔を出し、上辺だけの説明を右から左に聞き流しつつ、会社派遣のリクルーターと当たり障りのない会話をこなしつつ、なんとなく内定をもらえた会社に就職することですね(というか、いまどきそれでは内定までたどり着けない可能性も高いです)。
そういう就活を何カ月続けても、本人の中には確たるキャリアビジョンや動機は育たないでしょう。よく経済誌などの就活特集で「100戦連敗」的な刺激的なフレーズを目にします。100社以上エントリーしても内定採れない学生がいるという話です。筆者に言わせれば、100社もエントリー出来る→会社の用意した上辺情報をファーストフード感覚で吸収してるだけ→動機もキャリアビジョンもまったく成長していない→100敗して当然としか思えませんね。
というわけで、企業主導の美辞麗句の並んだ説明はほどほどにし、とにかく泥臭い情報を体で取ってくるというのが、ごく普通の凡人がこなすべきミッションだというのが筆者の見方です。
さて、上でOB訪問がとても重要だと書きましたが、やはりただOBに会ってお茶するだけでは意味がありません。というか、世のOB訪問の半分くらいは、筆者の目には意味の無い時間の無駄に見えます。というわけで、意識して聞くべき質問のポイントを説明しておきましょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら