「出遅れ就活生」が効率よく巻き返す方法は? まだ「就活サラブレッド」に太刀打ちできる

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1.「就職する前と就職した後で感じた仕事のギャップは何ですか? そして、それをどういう風に乗り越えましたか?」

閉じた組織を外から見ているのと中で体験するのでは印象は大きく異なって当然です。どんなギャップがあり、それをどう乗り越えたか教えてもらうことは、企業パンフ百回読むより有意義なことですね。

たとえば「外から見ると華やかでカッコイイイメージだったけど、入ってみたら泥臭い事務作業の連続でイメージと180度違ったよ」といったよくあるギャップに対し「でも、今ではその地味な仕事の積み重ねが華やかに見えるアウトプットにつながっていると理解したので、むしろ感謝しつつ日々仕事に精進しているよ。そういう下地のある方が転職市場でも強いしね」といった向き合い方を教えてもらった場合。

質問者は、華やかそうな仕事に見えてもえてして泥臭いものだが、そういうものの積み重ねが後のキャリアにつながるのだという貴重な教訓を得られるわけです。もちろん「イメージと違って全然泥臭くて成長もできないから、自分でスキルアップのために勉強している」といった意見も同様に貴重です。

社会人が考える、「学生のうちにやるべきこと」

2.「これからのキャリアデザインを教えてください」

たとえば30歳の先輩を訪問した時に、彼のこれから先のキャリアプランを聞くことには深い意義があります。それは良くも悪くも、新人育成を日本型組織で一通り育成した一つの結論だからです。

フォローしておくと、先輩の進路を真似しろということではありません。「今の会社で堅実にやっていきたい」という先輩からは、そう考えるに至った理由を教えてもらってください。「30歳までに転職するつもり」という先輩には、転職で何を実現したいかをよく確認してください。そうしたやり取りを通じて、あなた自身の展望も深まるはず。

3.「いま学生時代に戻れるとすれば、卒業までに何をやっておきますか?」

これも重要な質問ですね。OBに限らず、社会人が学生時代に経験しておくべきだったことを尋ねられると、それはそのまま学生への率直なアドバイスになるものです。まあこれが35歳以上になると時代的にずれてきたり、「彼女と海外旅行に行っとけばよかった」みたく人生そのものの振り返りが入ってきちゃうのでお勧めしませんが、30歳までなら有意義なアドバイスが聞けるはず。

ちなみに筆者自身がかつての自分にアドバイスするとすれば、「時給目当てのバイトはほどほどに、インターン代わりのバイトを増やせ。特にIT系新興企業」「経済誌がさらりと読み通せるくらいの経済知識は身につけろ」でしょうか。

OB訪問前には、あなたにとって「社会人としてのキャリア」と言われて、何が思い浮かんだでしょうか。日本企業は本音と建て前があり、本音の部分はなかなか外部には見せてくれません。労働市場の流動性も低いから、実際に働く人間の体験も広く共有されることはありません。恐らくは完全なブラックボックスだったというのが正直なところでしょう。

次ページOBは、あなたのための偵察隊!
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