その中で、きょう子氏が離婚騒動のさなかに暴露した教団の内情は、現在でも参考になる。きょう子氏によれば、当時、教団に布施等のお金を出している活動的な信者は3万人程度。離婚騒動により教団の支部に通う信者が「半減した」「3分の1になった」とする信者の証言もあることから、現在はさらに少ない可能性もある。
離婚騒動時に『週刊新潮』が掲載した、きょう子氏のインタビューでは、資産額は不明だが、教団の布施収入は年間約300億円とされた。当時きょう子氏は、書籍販売は広告費等が多額のため、あまり儲かっていないという趣旨の証言もしている。また『週刊文春』のインタビューでは、大川氏の個人収入は年間8億円ほどで、数百万円から2000万円もする高級腕時計を計30本以上保有しているともされた。
教団側はウェブサイトで、高級腕時計は「宝物」であって大川氏の私物ではないとし、大川氏が印税収入の全額を教団に寄付している旨を掲載した。大川氏の自宅(港区白金にある大悟館)も教団名義だ。大川氏にはきょう子氏との間に5人の子供がいるが、子供や現在の妻が相続できる遺産(大川氏の個人資産)は限られそうだ。次期総裁として教団を受け継ぐ者が、大川氏が遺した財産の多くを実質的に管理することになるのだろう。
親族を排斥し続けた人生
後継者の最有力候補は妻である紫央(しお)氏と目されている。従来は長女・咲也加氏が次期総裁として発表されていたが、大川氏が死の直前、霊言に基づく咲也加氏の過去世が事実上「降格」され、教団の公式サイトから咲也加氏のプロフィールページが消えた。
ただし、次期総裁の指名を外すという明確なアナウンスまではないまま、大川氏は死去した。従来、紫央氏は総裁補佐の役職にあったとはいえ、次期総裁だった咲也加氏をしのぐほどのカリスマ性や霊能力を示したわけでもない。今後、咲也加氏の復権や抵抗も、ないとは言い切れない。
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